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「前も言った気がするけど、そこまで全力で拒否するの智ちゃんくらいよ?」 「するだろ!友達だぞ!?」 「涙目だし。てか、なんなの?さっきのギューはぁ」 指摘されてゴシゴシ目をこする。濡れた感触に、涙目になっていた事を知った。 あー、怖かった…… 「いや…別に、深い意味はねえよ…。織田なら抱き付いただけで喜ぶだろうなって話になって、じゃあ俺ならどんな反応するかなーって気になったんだよ。熱測って終わりだと思ってたから、つい出来心でやってしまいました…」 気持ちは犯罪者の気分だ。 目元にモザイク入れて欲しい。 「へー。なにがどうなってそういう話なったのか全く分かんないんだけど」 「いやおっしゃる通り!だからもうさっきのは忘れよう!誕生日にハグがプレゼントとかイケメンにしか許されない技だった…!分かってたのに…」 「……智ちゃん、忘れてるの?」 「ん?」 律がキョトンとしている。忘れてるの?って何をだ。 「智ちゃんからの初めての誕生日プレゼントはハグだったのよ〜?」 「……嘘!?」 「律くん、おたんじょおび、おめでとおって…あーれはほんとに可愛かった。智ちゃんのくせに可愛過ぎた」 「誰それ?そんな可愛いこと言うの俺なわけがない。俺のポジションそこじゃないし」 何言ってんだこいつ。 いくら幼児だからといって、俺がそんなあざといことするはずがないだろ。 「まあ信じないなら別にいいけどぉ?俺だけが知ってる智ちゃんの秘密って事で」 「……いや、待て。やっぱり詳しく教えてくれ」 「さっ、俺は玲哉に智ちゃんと浮気しそうになった事を正直に懺悔してこよっかな〜」 「ほんと待って!?それだけはやめろ!!誕生日奮発させて頂くから!!」 るんるんで玄関を出ようとする律に、必死で追い縋る俺。 結局誕生日は去年と同じ律の好物を作ってあげるという何の面白味もないプレゼントとなったのであった。 ◇ 「えっ!今日、律くん、おたんじょおび?」 「うん。そうだよ〜」 「わー」 「なーに?ぎゅーってしてくれるの?」 「うん!律くん、おたんじょおび、おめでとお」 「……えへへ。ありがとお。智ちゃんだいすき」 「僕も〜!」 end.

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