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呉大和はドリンクバーじゃない!・2020正月番外編(後編)
「恋人じゃないって言ってもなぁ。もう何回も告白してるし、赤穂がOKを言ってないだけで、これはもう付き合ってるだろ」
「付き合ってないもん!」
「赤穂は付き合ってもない男のチンコを毎日のようにしゃぶる淫乱か?違うだろ?恋人のチンコだからついつい淫乱ニャンコになっちゃうんだろう?」
「い、淫乱じゃないって!」
「今話してるのは恋人かどうかであって、そういう細かいことを問題にしてる場合じゃなくないか?」
「いや、オレ的には大問題だよ!」
こんなとこでイヤらしいことさせられて、淫乱とか言われてオレは怒ってるんだからな!
だけど、なだめるように抱き寄せられて、呉の胸に収まって、頭とかほっぺたとか優しくなでられたら、だんだんトロンとしてきちゃって、夜中だし、眠いし……。
「本当、赤穂は可愛いな」
「呉さ、崖とか雪山とかいらないから、もうちょっと普通の告白してくれよ」
「普通の告白って言ってもなぁ。赤穂、気付かないから」
「はぁ?気付くに決まってるだろ?」
「こっちはほぼ毎日少女漫画で仕入れた胸キュンセリフを言ってんだぞ?けどお前、ぽけーっとして、可愛くにへらっと笑うばっかり。いや、まあ、ラブリーキュートだけどよー」
「胸キュンセリフとか聞いた覚えねぇよ」
「毎日お前のこと考えて、俺の100%を捧げてんだぞ?いい加減俺の告白を認識しろよ」
「ええ?ちゃんと言ってくれないと……」
言い募るオレのほっぺたを呉がまたプニプニと掴んだ。
「今のだって胸キュンセリフのアレンジなんだぞ?やっぱ気付かねぇじゃねぇか」
「呉の場合、ワイルド俺様な外見と上からな物言いが邪魔して、全部恫喝半分に聞こえるんだもん」
「はぁ!? キュンキュンしろっつってんだろ、この可愛い子猫ちゃんが」
「………」
「ちっ。無言かよ。そっちがその気なら、愛らしい口が恥ずかしい声漏らすまで、とろけさせてやんぞ?」
「だからそういう言い方が少女漫画ぽくないんだって」
「少女漫画ではビンビン感じちゃう刺激的ラブが大流行りなんだぞ。そんな漫画の名セリフを寄せ集めると、大体こんな感じになるんだよ」
「じゃあ、少年漫画を寄せ集めるとどうなるんだよ」
ふと考え込んだ呉がギャン!とオレを睨んだ。
「しゃべぇ顔でガンくれてんじゃねぇぞ、ドチビが!毎日ケツの穴から手ェ突っ込んで、口にもペロペロしてやろうか!」
「………………………ぅ」
「おいおい、なんで涙目になってんだよ」
だ……だって、呉、マジで怖い。
っていうか少年漫画だけど、ヤンキー漫画じゃないか。
「口説き文句じゃないし……」
「お前、ベロチューしながら尻さわられるの大好きだろ?相手の好きなところを言ってやるっていうのは、すごく大切なんだぞ?」
…………そこまで好きだって意識ないし、言われたくないし、好きなところを言うって多分こういうことじゃない。
「というわけで、今日もたくさん口説いて告白したから、そろそろ付き合ってるって認めろよ」
「そういうとこがダメなんだってば!」
呉の手をペシっと叩いた。
けど、浮いた手のやり場に困って、迷って……。
「口ではダメ出しばっかりのくせに、自分から手ェ繋いでくるとか、可愛すぎんだけど」
えっ……無自覚……怖っっ!
コイツがオレのこと子猫ちゃんとか言うから、すっかり飼い慣らされてしまってる。
しかもさっきから顔とか首とか指先でチョコチョコなでられて、くすぐったいけど気持ち良くて、オレももう完全に体重あずけて甘えモードになっちゃってるし。
ツンツンって唇つつかれたら、ついパクッと指を咥えちゃって。
ニッと笑った呉が指を引いたら、それを追っかけてまたパクッと咥えて。今度は目に前でクルクルと指を回されて。
……遊ばれてる。猫じゃらしかよ。
その指先がつーっと目の前を回遊して、ふにゃふにゃ、ふよふよ、くるーん。
呉の唇に止まったのを見たオレは、パクッと呉の下唇を咥えてた。
「ン……」
呉がキスを返してきた。
やさしいけど、エッチなキス。
はぁ……ドキドキして、ポワポワして……気持ちいい。
こんなキスをされると、本当に猫になって呉に飼われるのも悪くないんじゃないかって思っちゃうからいけない。
ダメだぞ、おれ。
人間辞めるにはまだ早い……んチュ……ァン。
「まったく、俺の淫乱子猫ちゃんは人目をはばかるってことを知らねぇな。あんまりにも堂々とエロ可愛いキスしてくるから、暇を持て余した店員が交代でチラチラ覗き見て興奮してるぞ?」
「…………!!!!!」
そうだ。ここはファミレスだ!
さっきのチンペロはソファの背もたれで隠れてたけど、キスなんかしたら丸見え……!
「で、で、で、出よう!」
うわぁ……。
恥ずか死ぬ。
店員さんに人前で平気でエロいキスおっ始めるトンデモ客だって思われた。
ファミレスで絶対しちゃダメなことをさせたのは呉の方なのに、オレの方がヤバい奴認定されるって……。
ああああああ……。
「あ、赤穂、ポイントカードあるんじゃなかったっけ?」
ポイントとかどうでもいい!それよりレジで名前を呼ぶなよ!!
呉のバカ!お釣りを全部一円玉で渡されてしまえ!
心の中で呉を呪って店外に飛び出した。
「あうっっ!」
ドアマットでこけた……。
呪返しっっ!!
クソっ!呉めっっ!
バーカ、バーカ!呉のバーカ!!!
「どうした?」
優しく立たせてくれたからって騙されない。
「寒いだろ。もっと近くに来いよ」
優しく肩を抱かれたって騙されない!
「これからどうする?」
イ、イケメンスマイルにも騙されない!
「もう一回、チンコしゃぶる?」
…………やっぱ、クズだ。
もう一軒飲みに行く?みたいなノリやめろよ。
「てか、ファミレスでチンコしゃぶるとか、呉、マジ信じられない!」
「だって外だと寒いだろ?」
他の場所があるだろ!
「オレ、あそこの店もう行けなくなっちゃったじゃねぇか」
「そもそもそんなに行かない店舗だから問題ないだろう」
ああいえば、こう言う!
「そもそもなんであんなことしたんだよ。呉って、そういう性癖?いきなりすぎてついていけない!」
「俺の性癖はどうでもいい。赤穂の精液を確かめたかったんだ」
「なんか韻踏んでる!」
「せっかくミカンいっぱい食わせたのに、いきなり出すから味を確認するまでもなく飲んじまったじゃねぇか」
えっ……!ここでミカン登場⁉︎
「そうだよ、お前、なんであんなにいっぱいオレにミカン食わせたんだよ!」
まあ、美味しくて良かったけど。
「だから、あれだろ、フルーツをいっぱい食うと、酵素がなんかして、汗や体臭とかもさっぱりしてきて、精液の生臭さが薄まって飲みやすくなるってやつだよ」
「…………へえ」
なんか知ってて当然みたいな感じで言ってくるけど、これって常識?
「笹ばっか食ってるパンダのウンコから笹のいい匂いがするのと一緒だな」
「……へえ」
てことは、テレビで観たパンダはリンゴとかも食ってたから、あのパンダのウンコは臭いのかな。
って…………。
「もしかして! オレの精液が臭かったからミカン食わせたってこと⁉︎」
「いや、別に?単に味に変化があるのか興味があっただけだ」
え………ええええ?
「じゃあなんでファミレスで……」
「赤穂が可愛くて、ムラムラしたんだ」
う………わぁああああ。コイツ、クズだ。
知ってたけど、マジでクズだ。
「じゃ、呉もミカン食ってたの?」
「もちろん平年並みに」
………………。
「じゃあ、あそこでオレにまで咥えさせたのって」
「そりゃ、可愛い子猫ちゃんが物欲しそうな顔してたら、ミルクを飲ませるのは当然だろ」
ん……?
ちょっとカッコつけた言い方で、夜目でもわかるイケメンスマイルで、覗き込まれて。
この感じ、もしかして、少女漫画のイケメンくんを演じてないか?
けど、言ってる内容が下衆すぎるんだよ。
「今夜は朝まで離さないから。星空に永遠の愛を誓いながら、子猫ちゃんのオレンジミルクと俺の特農ミルクで乾杯しようぜ」
ニッと片頬を上げた呉の『どうだ、少女漫画っぽい愛の告白だろう?』ってドヤ顔がムカつく。
なんかソレっぽいこと言ってる風だけど、野外で朝までチンコしゃぶりあうみたいな絵面が浮かんできてすげえヤだ。
「そんなんで愛なんか誓えるわけないだろ!バカ!」
「え……なんでだよ!『離さない』とか言いながら、永遠の愛を誓うとか、すげぇ少女漫画っぽいだろ!? 何が不満なんだよ」
「新年早々、チンコのことばっか言ってて最低。呉なんかキライ。オレ、もう帰る」
呉の腕を振り切って、オレは静かな夜道を走った。
ああ、もう嫌だ。
新年早々、呉と二人で会えて嬉しかったのに。
うう……風が冷たくてほっぺたがヒリヒリする。
喧嘩なんかしたくなかった。
もう……もう……!!!!!
必死で走って……走って。
だけど、二十メートルも行かないうちに捕獲されてしまった。
ううー。
背後から捕まえられて、胸の前にぶら下げられるって。
本当に猫になってしまったみたいで恥ずかしい。
「ごめん、赤穂!本当にごめん!」
冷えた耳にほっぺたをくっつけて、呉が切実な声でオレに謝罪する。
「俺、お前の気持ち、全然わかってなかった」
抱きしめる腕にぎゅっと力がこもった。
呉って、やっぱ体大きいなぁ。胸が広いから背中がすげぇあったかい。
「呉……もうあんな変態みたいなこと言ったりやったりしない?」
「……?ああ?お前が嫌がることは決してしない」
え?『ああ?』って、どういう反応?
「お前に『チンコのことばっか言ってて最低』って言われて気付いた。確かに少女漫画のような告白って言ってるのに、精液を比喩に使うのはダメだった」
あ、やっぱりアレ、告白のつもりだったのか。
わかりづらすぎるって。
「少女漫画のヒロインにチンコはついてないもんな。あとでネット検索していい表現探すから」
……ん?
「今日はとりあえず、チンコをお豆さんって言い換えとくから」
「はぁ!!!???」
「ほら、耳がすごく冷たくなってるぞ?風邪をひくと悪いから、俺の家で素肌で愛を語り合って、熱くなろう。赤穂のミカン豆乳を飲むのがすごく楽しみだ」
優しく囁いて、チュッと頬にキスをして……。
雰囲気はいいんだけど、言ってる内容はやっぱりヒドイ。
「うーー!告白に下ネタ混ぜるの禁止!ピュアでキュンキュンするやつじゃないと、認めない!」
ぶら下げられたままジタバタ暴れるオレを、呉が横抱きにする。
「何が認めないだよ。ピュアでキュンキュンするような告白をしても、お前は無言になって照れながらゴロゴロ甘えて来るだけだろ。告白に気付かなさ過ぎなんだよ。俺もいいかげん怒るぞ?」
呉に甘いセリフを言われるたびに、嬉しくなってデレデレして甘えまくってたのは確かだけど、告白かどうかわかりづらいんだってば。
告白だってわかるのは、恋人にしてやるとか、お前はもう俺の恋人だとか、そんな上から目線のやつばっかだったから、全力で拒否ってたし。
「……ピュアキュンな告白の時に、今から告白をするよって教えてくれたらちゃんと返事するから、下ネタ告白はやめてよ。呉はオレよりオレのチンコの方が好きなのかなって悲しくなる」
「俺はお前のチンコより、ケツ穴の方が好きだよ。赤穂、一生大事にするから……」
………………。
「だから!下ネタ告白やめろって言っただろ!!!」
「安心しろ。今のは告白じゃない。決意表明だ」
「…………あ、そうなんだ。決意表明……言われてみればそんな感じ」
………………なんかプロポーズみたいだったな。
……あ、いや、ケツが好きで大切にするとか、全然プロポーズじゃない!
一人でモヤモヤ考えている間に、呉はオレを抱き上げたままどんどん歩いていく。
夜中だし、暗いし、暖かな腕の中で呉の歩みに合わせ規則的に揺られていると、だんだん眠くなってきてしまった。
「ふぁああぁぁ……。呉ぇ、どこに向かってんだ?」
「ん?俺の家だよ」
「……ふぅん。なんで?」
「俺の可愛いニャンコが外でエッチなことしちゃダメだって言うから、うちでイチャイチャするんだよ。赤穂はイチャイチャ好きだもんな」
「ん……すき」
「眠そうだな。家に着くまで寝てていいぞ」
「寝な……い。だって……オレが告白に気づかなくって……返事しなかったら……呉が怒る。……今度はちゃんと……聞き逃さないように……しにゃい……と……」
ダメだ。
意識はまだ残ってるのに、体が先に寝てしまう。
「はぁ……可愛いにも程があるだろ」
眠りに落ちる寸前のオレの頬に、呉がチュッチュとキスを散らした。
「目が覚めた時に『俺と付き合ってくれ』って言ったら、ちゃんと『うん』と返事するんだぞ?いいな?」
「………………ん」
「お?寝息で返事したな、フフン。下ネタ告白をやめろって言うけど、そもそもお前のために必死で猥語を覚えたんだぞ。少しくらい言わせろよ?そんでお前も頑張ってエロい返事を勉強しろ」
……なんだそれ!
猥語を勉強って、呉がオレをビッチだって勘違いしてたからだろ。
オレのためじゃないっての!
「……はぁ。やっぱあきニャン、きゃわゆ過ぎだ〜〜〜。んーチュッ!チュッ!」
……えっ。あきニャンって、オレの事!!??
「あきニャン、いい子ニャン〜。目が覚めたら『大好きニャン』って言って〜」
待て、待て!
呉にこれまで見たことない属性が……。
ツッコミたいけど……うにゃ……心地よく揺らされると……寝落ち……ふにゅ……。
◇
薄ら意識が上昇して、まだ目は覚めていないのに、ここが呉の部屋だとわかった。
ベッドで寝てると思うんだけど、なんか……違和感。
呉が……人形でままごとでもするみたいにオレの手を動かして遊んでる?
「あきニャンもう目が覚めてるんだろ?可愛い目を開けて、見せて」
少女漫画とは違う方向で、甘さ増し増し。
「うにゃう……」
「お?起きたかニャン?」
……徹夜ハイなのか呉。
「よし、さっそく告白するぞ。予告したんだからわかんなかったとか言うなよ?」
オレまだ半眼で、ぼーっとしてて。
うー。静かにしてて欲しい。
「赤穂、たとえ世界を敵に回しても、俺は命をかけてお前を守り抜く。だけど事故には気を付けろ」
……もうちょっと寝たい。
ふにゃ……ああ……目が閉じてく……。
「それから、誰がなんと言おうと、俺にはお前がプリンセスだ」
……プリン?
「えーっと、俺を選ばなきゃ、お前はきっと後悔するぜ?だから、ずっと一緒にいて愛しぬいてやる」
……プリン、ちょっと食べたいけど。
「ええっと次は、そうそう、会いたくて会いたくてたまらないって思ってしまうのは、もう、恋だろ?」
……でも今は眠いからあとで食べるから。
「お前を大切に思うなら、諦めろだなんて言葉は聞けない。俺はお前を幸せにすることを諦めないから」
……眠いから。
「あと何だったかな。ええっと、そうそう、俺は絶対甲子園に行って、もう一度あきニャンに告白する。だから、それまで誰のものにもなるなよ」
……眠いんだって。
「あいつのことなんか忘れろ。いや、俺が忘れさせてやる。だからこの手を取ってくれ!」
……うう……うるさいぃぃぃぃ。
「俺の気持ちに名前をつけるなら、みんな恋だとか、愛だとか言うかもしれない。だけどこの気持ちはそんな言葉じゃ収まりきらないんだ!ウォーアイニー、サランヘヨ、エスティモ、テ・キエロ、ジュテーム、ンダククンダ!アイラブユーは言わないぜ!俺と付き合ってくれ、赤穂!」
ンガッ!
いきなり抱き起こされて頭がクラクラするっっ!
「ほら、あきニャン、お返事は?」
「もー!呉、うるさい!イヤだ!嫌い!離せよ!寝かせろよ!うるさい。うるさいぃぃ」
人が眠いって言ってるのに、何かゴチャゴチャ言って。
まだ頭動いてないんだってばぁ………ふぁぁぁ。
「ええええ!? そこは『オッケーニャン♡』だろ!おい!赤穂!寝るな!ねぇ、寝ないで。あきニャン」
何騒いでんだよもーー。
ボーッとしたまま薄目を開けて、ぺちっと呉の顔を叩いた。
「うるへー……やだニャー……嫌いだニャー」
「なっ……なんだテメェ。コラ、可愛い猫パンチしやがって、コラ、キュート過ぎだろ。あきニャン、もう一発ぺちってして?んで『嫌いは嘘ニャン、やっぱりOKニャン』って……」
呉が似合わない猫なで声で何か言ってる???
「うるせー。寝かせてくんないと……ふぁぁ……本当に呉のこと……嫌い……になる……ニャ」
「えっ……本当に嫌いになるのはダメだぞ、コラ」
「………ん。嫌いにならないから、寝かせて……ニャ」
うにゃ……何言ってたのかわかんなかったけど、徹夜ハイの呉はちょっとキモいなぁ……………。
◇
目が覚めたら全裸で、爆睡する呉に抱きしめられていた。
呉の家にきた記憶なんて全くない。
しかも乳首とチンコが擦れたみたいにヒリヒリする。
これ……寝てる間に呉にしゃぶられた……?
ああ、乳首がプックリと腫れてる。
恥ずかしい……。
あ、股関節付近がキスマークだらけ。
うわぁぁぁ。どんだけ好き勝手したんだよ。
早く服、着よう。
ムカつくので、軽く頭を叩いたけど、呉が起きる気配は全くない。
正月だから当然、家に呉の家族いるよなぁ。
呉のお母さんとはすっかり顔馴染みだけど、お父さんに会うのは初めてだ。
ちゃんと新年の挨拶をしないと。
爆睡している呉の顔を覗き込んだ。
……やっぱりイケメンだ。
起きてる時はちょっと怖いけど、寝てると可愛い。
「お前さぁ、結局いつになったらちゃんと告白をして交際申し込んでくれるんだよ。こっちは早くOKしたくてしょうがないんだぞ!」
不満をぶつけてみたけど、気恥ずかしくなって、それを誤魔化すようにチュッと呉の口にキスをしたら、もっともっと恥ずかしくなってしまった。
……こんなときは。
寝て誤魔化す。
そして、オレは再び呉の腕の間に潜り込み、新年初の二度寝を決め込んだのだった。
《終》
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