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【序】

困った…… 非常に困った! よりによって課題レポートが…… 「精液分析だとーッ!」 俺には子種がない。 俺はΩだ 第1性は雄である 外見は男性器を有しているが、勃起した男性器が射精する精液に子種はない。 授精能力はあっても、Ωに放精能力は備わっていない。 しかし! 今更、子種がありません。とは告白できない。 俺は第2性をβと偽って通学している。 高天原大学(タカマガハラ ユニバーシティ) 受講生は第2性によって分けられる。講義には必然と同性が集まるので、自分はΩだと公表しているようなものだ。 俺がΩだと知られれば…… 「受け」なければならない 性器を挿入されるだと! そんな屈辱あってなるものか! 成績優秀者にのみ名乗りを許される『神世七代(かみよななよ)』の称号を持つ俺が、組み敷かれるなどあってはならぬ事 誰に組み敷かれる事なく、首席で大学を卒業し、葦原中国(アシハラノナカツクニ)の国産みを行う栄誉を得る。 エリートの道を歩まねばならぬのだ! 「精液分析如きにッ」 エリートの道を邪魔されてなるものかァッ!

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