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Ⅰ章 在りし日の歌④
バタン
ドアが閉まった。
「先輩、顔色悪いから寝てください」
「嫌だ!」
寝たら最後、何をされるか分からない。
「じゃ、立ってヤりましょう。そこの机に手をついて、尻出して貰えますか」
「なっ」
ふわり
陽光に透けたレースのカーテンが揺れた。
「昼間っから、なに言ってるッ」
「ここ、保健室です。そーゆーコトする所でしょ」
違う!
保健室は病人や怪我人が休む所だ。
俺は病人でも怪我人でもない!
「やっぱり先輩、顔色悪い。ベッドで寝ましょう」
「やめろォォ!」
青ざめているのは、お前があんな事を言ったから。
(俺の子を提供してください、と)
そして今まさに、お前が襲いかかってきているからだーッ!
スプリングが弾む。
お姫様抱っこされて、すとんとベッドに下ろされた。
一人用のベッドに潜り込んだ後輩に、ぎゅっと抱きしめられて添い寝される。
耳朶を這う吐息が囁いたのは、思いもかけない言葉だった。
「挿入が怖いなら、先輩のを俺に挿れてもいですよ?」
えっ
いいのか?
本当に?
「じゃ、決まりですね♪」
同意を待たず、邪魔な着衣を下着ごと下ろされた。
「ヒャウっ」
生温かい感触に包まれた、俺の下半身
驚いて見返した視線と、彼の見上げた視線が絡む。
恥ずかしくて……顔から火を噴きそう。
秀麗な白晢が、肉棒を咥えている。
欲に濡れた雄の眼が、理性を溶かしていく。
アっアっアっ
口の中で熱くなって、昂りが重量を増す。
「可愛いですよ」
思わず腰を振ってしまった。
クスっ
喉の奥で彼が笑む。
「俺の嫁ってば、淫乱」
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