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Ⅴ章 神話レボリューション☆ 【完】
意識が浮上する。
俺の体……抱きしめられている。
指で突っつかれた頬に、あたたかい唇が触れた。
俺、キスされた?
腕枕されてる……
「ここ?」
「高天原の俺ん家」
隣でヒィがすやすや寝息を立てている。
ヒィが大きくて、俺は小さいままだけど。
黄泉に行ったんだよな?
「記憶の消去は黄泉の掟だ。俺達は黄泉から帰って来た」
「ほんとに?」
「ほんと」
菫の瞳にほっとした……のも束の間
「お前が親父、説得してくれて助かったわ」
はいィィ~★
「どういう事だっ?」
「言ってなかったっけ?俺の親父、大学理事長で黄泉の王」
はぁぁぁー?!
聞いてないっ!
……つか、ナギのお父上を説得って。
失礼を働かなかったかな。
「俺の嫁、最強♪」
どうしようっ。
絶対、失礼働いてるよっ。
「特例で俺、黄泉の記憶があるけれど、これが最後の特権だ。
無茶したから理事長代行 解任になったけど」
役職なくても……
「ナミ、俺を愛してくれる?」
チュッ
「ズルイ夫だな。答え、分かってるクセに」
「じゃあ、キスの報酬は」
「ヒヤぁーン」
脚を高く持ち上げられて開かれる。
「一生分の愛、注いでやるよ」
今日も明日もあさっても♪
「ヒィが起きるっ」
「もう起きてるし」
「ヒィ!」
「母上は理想のΩに育てるよ」
チュッ
体、元に戻せー!
……チュッ
なんで額にもキスされたんだ、俺?
「公安帰らせた報酬は愛人の座でいいからなっ」
「ウイー!」
愛人いらんわーッ
「俺の嫁、浮気者♠」
………ばか。
お前が守ってくれたから幸せなんだよ、ナギ
チュッ♥
―完―
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