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第1話

「ん…っ」 なんだよ。寝たんじゃないの。 男2人では狭いベッド、特に収集するほどの趣味もない俺の部屋は、殺風景だ。 早々に寝息を立てたと思っていた雪弥の腕が、後ろから俺をきつく抱き締めた。 「蓮さん。寝ました?」 「起きてるよ。苦しい。」 寝ました?なんて聞くくせに、俺の返事なんて一切気にしない。 耳元でアルコールの混ざった雪弥の吐息がうるさい。 「えー?蓮さんいい匂いー」 わざとらしく耳に息を吹きかけられて、体がピクンとはねると、待ってましたと言わんばかりにヘラヘラと笑う雪弥は俺に覆い被さって唇を重ねた。 男のくせに柔らかな唇が、何度もいやらしい音を立てて、その度に自分の体が熱くなるのを感じた。 ああ、クソ。

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