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第19話
久しぶりなんだから、とか、慣らさないと、とか、雪弥がうるさく言うのが聞こえたけど、もうそんなことどうでもよかった。
昼間喫煙室で久しぶりに雪弥の体温を感じて愛おしい匂いがして、恥ずかしいけど、我慢ができなかった。
「ーーーーああああっ」
「…っ、きつ…!」
自身の孔が押し広げられる感覚。
背骨からびりびりと快感が走り抜ける。
痛いよりも先に雪弥と繋がっている幸福感が胸を満たして、はしたない声が漏れるのを止められない。
「あっあっ、ゆきや…!おっき…い!」
「蓮さん締めすぎ…。すぐイっちゃいそう…」
俺に覆いかぶさって腰を振る雪弥が耳元でそんなこと言うから、嬉しくなって意識的にナカを締め付けると、それに気づいた雪弥が俺の頬をつねった。
意地悪そうな猫目が俺を睨みつけて、口元がニヤっと歪んだ瞬間、
「…!?えっ、ああっ!雪弥、だめ…!!」
「ダメなわけないでしょ。蓮さんのせいでこんな大きくなったんだから」
「そこ…そこばっかり…っ」
自分でも知らなかったイイところ。
雪弥と体を重ねるようになって開発された最奥を、無遠慮にがんがん突かれて息が止まりそうになる。
腰を振りながら重ねた唇からは雪弥の荒い息遣いが伝わって、無我夢中で舌を絡めた。
「んっふあ、はあっ」
「っは、気持ちいい…蓮さん…」
「もっと、気持ちよくなって…!」
雪弥のピストンが速度を変えて、緩急をつけるように腰をグラインドさせる。同性だから分かるけど、多分、達するのを我慢してる。
もっと俺を味わおうとしてるのかと思うと愛おしさが込み上げてきて、汗ばんだ背中に腕を回してこれでもかと強く抱きついた。
相変わらず舌を絡め合う口元は、どちらのか分からない唾液が唇の端を垂れてさらに官能を刺激する、目の前がチカチカして酸欠になりそうだ。それにも関わらず、お互いが酸素を奪い合うような激しいキスに興奮して、思わず鳥肌が立った。
「蓮さん、も、出そう…」
「ん、んっ、イッて…!雪弥…っ」
上体を起こした雪弥が俺の腰を掴んで、今まで以上に奥を打ち付ける。見上げた雪弥は眉間にシワを寄せて、俺の奥の奥で欲を放った。
挿入中、指一本も触れられていないのに、俺自身は血管が浮くほど膨張していて、雪弥の手の平に包まれてすぐに、数回の刺激で呆気なく達した。二人分のオスの匂いが充満する部屋に、はあはあと息遣いだけが溶けていく。
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