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結局は自業自得でしかないのだと
「今日は俺が雪弥を抱く」
「へ?ま、まあ別にいいですけど」
金曜、深夜。
今日は社内の全体会議があって、普段あまり会わない部署の奴らにも久しぶりに会い、期末も終えたし飲みに行くかって話になって。
収集係は後輩に任せて居酒屋に着くと、こういう飲み会には珍しく蓮さんの姿があった。
なんとなく年次別に分かれたテーブルでは、たまに顔を見たことがある先輩と楽しそうに話す蓮さん。
あの人、確か俺が入社した時に本社に異動になった人だ。蓮さん仲良かったんだ。知らなかった。
俺は俺で仲良い奴らが集まったグループの卓について、数分後、各自始まってはいたけど改めて幹事の後輩が乾杯の音頭を取った。
「雪弥。ちょっとこっち来い。挨拶して」
「え?あ、はい」
蓮さんに呼ばれたのは結構酒が回り始めた中盤。
ここ来てから声かけなかったけど、俺いるの気づいてたんだ。とかちょっと嬉しかったり。
後をついて蓮さんがいたテーブルに行くと、
「お前同期としかつるまないだろ。ちょっとは知り合い増やしとけ」
そう耳打ちした蓮さんがみんなに俺を紹介してくれた。
こういうとこ、ほんとにむかつくくらい男前だよな。
男としても、社会人としても、蓮さんはかっこいい。
5人くらいの先輩に囲まれてちょっと緊張してる俺をよそに、蓮さんは楽しそうにどんどんワインを開けていってる。
なんか今日ペース早くないですか?でもまあ、蓮さんは酒強いし大丈夫か。そう思って俺も緊張感から逃げるようにハイボールをあおった。
そうして仕事の話から、家庭を持ってる人の子供の話。そのグループのまま二次会に流れた店で、話題は下ネタへ。
「ちなみに雪弥くんはどういうエッチが興奮する?」
「俺は結構積極的な女性がタイプですね」
「へえ、意外」
まあまあ酔っぱらってるのもあって俺もノリノリでそんな話をしてると、別の人と話してた蓮さんが突然会話にまざってきた。
「雪弥って勝手にSなイメージだったけど、違うんだ」
「そう見えますか?意外と攻められるのが好きなんですよね」
そうして、状況は冒頭へ。
三次会に向かった酒豪たちを見送って帰ってきたのは蓮さんの家。
「蓮がこんなに後輩可愛がるなんて珍しいよな。」なんて言われてとんでもなく嬉しかった俺の隣で釈然としない様子の蓮さんは、帰って来るやいなや、俺の手を引いて寝室に向かった。
押し倒されたベッドの上で、挑発的な目つきの蓮さんが俺を見下ろす。
「何してくれるんですか?」
「うるさい。黙って。」
「え…蓮さ、」
びっくり、した。
俺の前髪をすっと横に流して優しくおでこにキスを落とす蓮さんがあまりにもかっこよくて不覚にも心臓がバクバクしてる。
そのまま耳に舌が這う感覚、唇を塞がれながら首を圧迫されて酸素を取り込もうと口を開けたところに強引に舌が侵入してきた。
やばい、やばい。蓮さんの変なスイッチ入れちゃったかも。
「ん…っ蓮さん…!苦し、」
「黙ってろって。責められるのが好きなんだろ」
「ちょっと、それは訂正しま、」
「無理」
するりとネクタイを抜かれてシャツのボタンを外しながらベルトに手をかける蓮さんが、不安がる俺に「ん?」なんて優しく笑いかけるけど全然安心できない。
だめだ、自分の貞操は自分で守らねば。
「ちょ、雪弥は今日は何もしなくいい!」
「やです。蓮さんのもほぐさなきゃ入れられないし。それとも、自分で慣らすとこ見ててあげましょうか?」
「やめ…っ、今日は…」
「蓮さんが攻めてくれる日なんですよね。続けてくださいよ」
「あっ、んん…!」
形勢逆転。
俺にまたがったままの蓮さんのシャツに手を入れて乳首を摘まめば、あっさりSキャラが崩壊した蓮さんがいやらしい声を出して体勢を崩した。
あのまま流されたら危なかった。
すっかり力の抜けた上体を無理やり起こして少し腰を揺らしてやれば、とろけた表情で唇を噛むしぐさがエロくて堪らない。
「手が止まってますよ。ほら、ちゃんとやって」
「雪弥が、そんないじるから、だろ…っ」
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