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第3話

「ぁあっ」 岩下課長の指が内壁をなぞりながら優しく抜き差しされる。自分でふれる時とは、まったく違う予測不能の刺激に身がすくんだ。 けど同時にローションが絡んだ手で前もズチュズチュと擦りたてられているので、こちらの快感の方が大きい。 ふと視線を巡らせると……。 恥ずかしい。椿原部長にオレのチンポがいやらしく音を立ててるとこを、すごく冷静に見られてる……。 柳井もニコニコ、いつもと変わらぬ笑みを浮かべ眺めてるし。 羞恥に内腿が震え、オレは机に顔を伏せた。 火照った肌に冷えた机面が気持ちいい。 「……このくらい緩んだら大丈夫かな」 課長の言葉を受け、すぐさま椿原部長がローションをまとった硬いモノをオレのアナルに押し込んだ。 「うぁぁぁっっ!なに?なに?」 結構な太さがあるように感じるけど、痛くはなかった。 スイッチ音の後にブブブという音と振動。 「溝畑くん、コレは何だと思う?」 「……ローターです……か?」 「惜しい、アナルバイブだ。使ってみたいって言ってただろ」 オ、オレそんなことまで部長に! 「うううううううう」 そんなに深く差し込まれたわけじゃない。それでも異物が内蔵で動くのが気持ち悪かった。 「ん、まだ慣れないか。じゃあここは?」 「はひっっっ」 入り口をブルブルと刺激され、くすぐったい快感に腰が跳ねた。 そこからオレの内壁が振動を楽しみ始める。 岩下課長がオレの前をゆっくりとしごき、椿原部長もバイブを抜差ししながらくすぐるようにお尻をなでてくれる。 「は……ぁふ」 いつもの会議室で、みんなきっちりスーツを着た中、オレ一人あられもなく下半身を晒して快感に震えて。 ……たまらなく恥ずかしい。 なのに上司二人に通常じゃありえないくらい優しく丁重に扱われていることに、どこか嬉しくなってしまっているオレがいる。 机の上には課長のカバンから出したコンドームの束とローションが置いてある。しかも玉が連なっていたり、生々しい形状のディルドや、亀頭責めローター、プラグ、乳首の吸引器、なんだかよくわからないものまで。 どうやらオモチャ類は未開封らしく、柳井が興味津々といった様子でパッケージを見ていた。 真面目な岩下課長がコレをカバンに入れて何日間も持ち歩いていたのか……。 「溝畑さん、今日はアナルバイブだけの予定らしいですけど、使ってみたいのがあったら教えてくださいね」 ああ、卑猥なディルドのパッケージをカタカタと振る柳井の笑顔が眩しい。 こんな爽やか君に言えるわけない。柳井が亀頭責めローターを装着して乳首吸引してるとこを見てみたいだなんて……。 「ぁっ…ひぁっ……ひっっ!」 椿原部長がパターンや振動の強さを変えながらバイブをゆっくり動かしていく。 ビリビリと痺れたアナルが次第に快感を覚え始め、特に気持ちがいいと、オレが机にピタッと張り付くので、好みは丸わかり。 とうとう、上半身は机面に張り付き、下半身は爪先立ちになって尻を上下に動かすという、情けない状態になってしまった。 けど、もう、恥ずかしさなんか忘れて、とにかく気持ち良くて……。 「くぅぅぅ……部長う……課長ぅ」 「なんだ、溝畑くん」 「ふぁああっ、ァナルバイブ気持ちイイです……」 今はむしろアナルに集中したくて、岩下課長の前への刺激が邪魔なくらいだ。 「そうか、良かった」 優しく頭をなでられ、感情が高ぶったオレは、強引に身をよじって岩下課長の胸に抱きついた。 「課長、人肌の温もりも感じたいれす……」 課長がゴクンと喉を鳴らした。 「溝畑……お前は、本当に……」 ギュッと抱きしめられ、頭に頬ずりをされる。 「あ、じゃあ、次また指ですね」 どうやら役割分担ができているらしい。非常に段取りよく柳井がコンドームを開封して岩下課長に手渡した。 けど、指か……。 それだけでもガッカリだけど、柳井はオレにふれるつもりがなさそうなのにもガッカリだ。 バイブが抜かれると、オレを抱いた岩下課長の手が尻に伸ばされ、当たり前のように太い指が二本入ってきた。 そして……あああ……オレの尻に入っていたアナルバイブから使用済みコンドームを柳井が外してる……。 あんなモノ……恥ずかしい。けど、丁重に奉仕されているような気分になり、ちょっと興奮した。 そしてアナルを広げ抜き差しされる課長の指。 入口がミリミリと痛痒い。けど、アナルが目一杯開いてるんだって実感でき、興奮で息が上がる。 「ぁあふっっ……ぁあっイイっ……それっぁあ!」 なじませるように指を抜き差しし、グリュグリュとねじって回転され、内壁を指がコスる感触に腰が沈みこんだ。 「コレが好きなんだな?」 「はっ…はいっ……ぁああ、コレほんとヤバイっっ!イイ……岩下課長…ぁうぁ……もっとぉ……」 「甘え上手のくせに、素っ気なくて、それでも可愛くって、溝畑は本当にタチが悪いな」 「ぁふっ??すみませんっ。でもぁんんん……かちょぉ……ソレッぁっぁああっ……ソレですっ!」 岩下課長の胸にすがり、おぼつかない膝をすり合わせる。 「溝畑さんすっかり気持ち良くなったみたいですね。よかった」 穏やかすぎる笑顔が向けられている。 普段と変わらぬ下卑たところなんかカケラもない柳井の顔を見ていると、これが当たり前のことのように思えてくる。 「はぁっ……ぁはあぁっ……あああつ!中がジュンジュンするっっぁっも……も……!」 落ちる腰を部長が背後からガシッと掴んで支えてくれた。 さすが『頼りになる理想の上司ナンバーワン』の椿原部長だ。 「溝畑くん、さっきから唇をペロペロ舐めているけど、口寂しいのか?」 「ぁ……‥‥‥いえ」 嘘だ。本当はバイブでかき回されてる時から、キスしたくてたまらなかった。 「何が『いえ』だ。嘘つけ」 椿原部長の指が口内に侵入した。オレはその指に夢中で舌を絡ませ、吸って舐めしゃぶる。 「必死だな。やっぱり口寂しかったんじゃないか。目も虚ろで、頭もあまり回ってないだろ。こんな時くらい、少しは素直に甘えてみたらどうだ?」 甘えて……いいんだろうか? だったら、ここは思い切って、チンポしゃぶらせてと……いや、それより先にキスしたい。 誰がいいかな。 部長、課長、柳井、ああ……キスできるなら誰でもいい。

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