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第2話

「溝畑さん、脱がないとできないんですから」 「出来ないって何を!?」 「だから溝畑さんが椿原部長に『いくらアナニーしても、お尻で気持ちよくなれないんです』って、もう、延々と言い続けて、『オレは人間失格だから、神さまに喜びを一つ奪われたんでしょうか?』って泣くもんだから、部長が『どうすればいいか考えるから』って、何度も何度も言って、それでようやく落ち着いたんですよ。みんな溝畑さんのためを思って色々考えたんですから」 「はっっっっっっ?」 オレが……? でも、柳井がこんな作り話をするとは考えにくい。 それにしてもまさかこの爽やかイケメンの口からアナニーなんて単語が出てくるとは。 いや、オレが言ったのか。 飲み会で、目尻に深いシワがあるものの、四十代とは思えない綺麗系イケメンの椿原部長に向かってアナニーを連発……。ああああ、穴があったらマントル深くにまで埋まりたい。 「本当に忘れているんだな。柳井くん、溝畑くんに簡単に概要を説明してやれ」 「わかりました。まず、溝畑さんがアナニーで気持ちよくなれない理由として考えられるのが、『心理的抵抗』と『高すぎる期待値』。そして『環境』と『手法』です。そこで……」 柳井がホワイトボードに書きながら丁寧に説明してくれているが、ちっとも頭に入らない。 「ひゃっ」 呆然としている間に、オレは下半身をむき出しにされ、ウェットティッシュで尻を拭かれていた。 あ……ああああ……あの真面目な岩下課長がオレの尻を……尻穴を……。 「自分の手に終えない案件を一人でどうにかしようとせず、素直に他人の手を借りられるようになったんだな。成長したな、溝畑」 いや、これはそんないい話じゃないです岩下さん。 「あちょっっアツイっっ」 「ああ、このウェットティッシュちょっとだけメントール入ってる。最初はスースーするかもしれないけど……」 「スースーって言うか、熱いっ、ちょっと岩下さんっっっっ!」 混乱したオレは、ちょっとでも冷やそうと必死で尻を振った。 「ぁ……ぁあ……はぁ」 尻が冷たく濡れた。 「どうだ?ローションで濡らしてみたんだけど」 だいぶいいけど、むず痒い。 「入り口って言うか、シワの間がチリチリして……」 「そうか、溝畑にとってここは入り口なのか。よし、シワまでしっかりとなじませてやるから」 「ぁん……んん……」 岩下課長の長い人差し指が尻穴に入り込み、親指と挟み込むようにして丁寧にシワをなぞっていく。 しっかりはめられたゴムがクシュりとたわんで少しくすぐったい。 「どうだ、溝畑」 「んっ……はぁ……イイ……。……あ、いや、そうじゃなくて!」 ばっと起こした身体を背後から岩下課長に抱きとめられた。 「急に動くと危ないぞ。ココ、そんなに慣れてないんだろ?それとも、ハードプレイのやりすぎで、快感を得られなくなったのか?」 「え!? ハード……いや、オレそんなの全然。でも慣れてないわけじゃないです」 混乱中のオレは、穏やかな口調の岩下課長に聞かれるまま、余計なことまで答えてしまっていた。 「そうか、慣れてるのか。男のモノならイケるけど、自分の指じゃイケない?」 真面目な岩下課長に似合わない質問を、尻の穴をいじりながらされると、どんどん現実感がなくなっていく。 「い、いえ、その、オレ、その、本当にちゃんとした本番はした事無くて……」 「童貞って事か?」 「い、い、いや、童貞でもないんですけどっ……たまにイチャつける友達がいたんで、ギリギリのラインの探り合いでお互い先っぽだけOKって事で何度か。まあ、ほとんど穴にくっつけて自分で擦ってただけなんですけど。でも、そいつに恋人が出来て、オレは取り残されて。羨ましくってちょっとひがんでる部分もあるんですけど、でも祝福はしてて、うまくいって欲しいなって……オレもいつ恋人ができても大丈夫なようにアナニー頑張ってるのに全然……あれっ?これ何の話だ??」 「溝畑は、本当に可愛いな」 尻穴を広げられながら、包みこむようにぎゅっと抱きしめられ、脳が痺れた。 人肌の温もりは……ヤバい。 しかも岩下課長の香りに包まれて……とろける……。 「あ、ほんのちょっとだけ勃ってるな」 「ふぁっっ」 優しく昂りを握り込まれ、甘えた声が漏れる。 「コレは、期待ってことかな?」 オレは甘ったるい気分のまま、背中を岩下課長に擦り付けた。 けれど優しい手つきがもどかしい。 ついつい腰を上下させ、課長のちょっと硬い手に自分のモノをこすりつけてしまう。 「はぁ……はぁ……もうちょっと強く握ってください」 「こう?」 「ちが……根元ギュってして……ぁあっ」 根元を握られればモノに血が集まり、あっという間に完勃ちだ。そこを全体を包み込むようにズチュズチュと擦り立てられ、全身が一気に沸騰した。 同時に後ろに差し込まれた指で、内側からしっかり勃ったモノの根元を円を描くように撫でられれば、操られるようにオレの腰も円を描いて艶めかしくうねる。 「いやぁ、まさか溝畑くんがこんなエッチな子だったとはね」 椿原部長の声にハッとした。 オレは会議室で、何をしているんだ。 「あ、ちがっっ、その、オレ酔ってたんで、覚えてなくて」 「ん?打ち上げの時の事か?それはもう気にしなくて良い。とにかく溝畑くんがアナニーで快感を覚えられるように俺たちが全力でサポートするから」 全力サポート……何とも心強い言葉だけど、遠慮すべきか喜ぶべきか、今のオレには判断がつかない。

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