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第20話 秋 -6-
―……『今夜は絶好の流星群日和です。夜空にたくさんの流星が見れるでしょう』
「今夜は星がたくさん流れる……。見えないだけで、昼に流れ星って流れてないかな……」
たくさん流れるなら、頼むからどの星かが俺の願いを叶えてくれよ。
「……壱弥……」
そう呟きながらスマホで適当に今日のニュースをナナメ見る。
床に敷いた一人分のフリース。一人の空間。
放課後に一人で来た新しい場所は前ほど陽が入って来ず、俺も慣れてないせいか微妙に寒く居心地が悪い。
そして少し感傷に浸っている時、急に教室のドアが引かれた。
この教室に入ってきた人物は真っ直ぐ俺が潜んでいるカーテンまで来て、声を出した。
「―……三葵?」
「!?」
驚きで声が出なかったが、カーテンに触れている足先が跳ね、肯定する様にその布を柔らかく揺らした。
「……居た……。三葵、見つけた……。何で最近いつものカーテンに居ないの?」
「壱弥……」
壱弥はそう呟いてカーテン越しに立っている。
壱屋が俺の答えを待っている……。
「……俺、さ? ……お前が告白されるのに出くわすのがいい加減、居心地悪くなったんだ」
「…………」
「だから、新しい場所を探し始めたんだ。ここはそのお試しの場所」
「…………」
「……大体さぁ……。ぃ、壱弥は……俺がカーテン裏に居るの…………知らなかったのかよ……?」
一方的に喋った後、思わず質問してしまった。
しかも、内容が……。
俺が自分の言葉内容に脳内でぐるぐるし始めた時、壱弥から回答が投下された。
「―……三葵がカーテン裏に居たの、知ってたよ」
……はぁ!?
「知ってて、あの教室で告白を受けて断ってたんだよ、三葵。何でだか、分かる?」
「…………分からない……」
何でそんな事……? ぐるぐるに新しい要素が加わった。
しかし、壱弥は言葉をどんどん投下してきた。
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