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☆ ☆ ☆
『あー、彼女ほしーっ!』
昼休み。
弁当を食べた後の、ゆる~い時間。
蓮は相変わらず、雑誌を見ながら
女の子のチェックを欠かさない。
・・・・・・別にね?
雑誌に載ってる子や、アイドルなら
実際に蓮と つきあうって事はないから
気にはならない。
怖いのは、身近にいる人たちだ。
身近な・・・
クラスメイトとか下級生、上級生とか。
たまに放課後に呼び出される姿を見ると
胸がチクチクと痛む。
今のところ 理想の高い 蓮のお眼鏡にかなう子は
いないらしくて
片っ端から断ってくる・・・けど
それも いつまで続くやら・・・
『あ!この子かわいー!』
・・・・・・はあ。
ホント、いつまで続くかな・・・
チラッと、孝之介を横目で見る。
コイツは、何を思って「足掻け」
なんで言ったんだろう。
俺は、女の子と同じ土俵には上がれない。
スタートラインにも立てない。
それなのに。
例え、立てたとしても・・・
告白する気はない。
あれから、いろいろ考えて、
やっぱり卒業までは一緒にいたいから、
いい友人として、蓮の記憶の中に
残っていたいから
本当の現状維持を目指すと決めた。
蓮に「彼女」が出来たら、
きっと すごく ツラいと思う。
でも・・・「彼女」は、別れてしまえば
「他人」になる。
「友達」は、何処にいようと、
何年経っても「友達」でいられる。
だから、俺と蓮は「友達」で いるのが
1番いい。
俺が ガマンすれば いい。
それだけの事。
そうでしょ?
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