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それでも、時々 ツラくて
堪らなくなる事もあって・・・。
そんな時、孝之介が声をかけてくれて
(まぁ・・・とはいってもアドバイスとか
慰めの言葉とかは 全然ないんだけど・・・)
話を聞いてもらうだけで すごく救われていた。
『ねー、佑真ぁ。』
『んん?なぁに~?』
今日は、大和と孝之介が用事があるとか言って、
2人で帰ってしまったから
久しぶりに あっちこっちに寄り道してから
蓮の家に遊びに来た。
買ってきたコンビニのドーナツを食べながら
蓮のお薦めのアイドルグループのDVDを
観ていたのだけど・・・
俺を呼んだクセに、蓮は何も言わず
何かを考え込んでいる様子。
『蓮、どうかした?』
『あー、・・・うん。あのさぁ・・・』
『・・・・?』
『うーん・・・なんつったらいいのか・・・』
何か・・・悩んでる?
『悩み事?』
『いや、そうじゃなくて・・・佑真さぁ・・・』
───と、俺をジーッと見てくる。
え?もしかして・・・俺?
・・・・俺、なんか悩ますような事、したっけ?
俺の気持ちは絶対バレないように、
気をつけてるから大丈夫・・・なハズ。
大丈夫!と自分に言い聞かせるけど
バレてたら どうしよう・・・って
ドキドキ心臓が暴れ始める。
『お、俺・・・なんかした・・・?』
『あー・・・いや、なんかした・・・つーか・・・』
言いにくそうに頭を掻く蓮。
やっぱり、俺が何かしたのかな・・・?
ヤバイ・・・。
もし、バレちゃってたら
どうしよう・・っ・・・
ドキドキしながら、蓮の言葉を待つ。
蓮は大きく息を吐くと、俺から ふっと目を反らした。
そして・・・
『あのさ・・お前、最近さぁ・・・孝之介と
・・・・・仲いいよな?』
と、不貞腐れた感じで 言葉を絞り出した。
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