51 / 156

☆5

うーん。 スマホも、財布もあるし・・・ とりあえず、どっかで 朝ごはんでも食べるか。 そう決めた俺は、 自転車に跨がって、圭の家の方へ のんびりと向かう事にした。 向かう事に・・・・した。 ・・・・した。 したんだけど・・・・。 『あれ。』 気がつけば、圭の家の前。 コンビニも、 イートイン出来る お気にいりだったパン屋も なんとなく入る気にならなくて 通りすぎてしまったのだ。 『何やってんだ、俺は。』 約束の時間は10時。 今、8時。 早い。 早すぎる! どうする? どうしよう。 『まいったなぁ・・・・・。』 と、その時・・・ 『お?青少年。もう来たのか。』 お店の戸が、ガタガタ開いて 圭のお父さんが姿を現した。

ともだちにシェアしよう!