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☆6

『・・・あ、やべ。───あ! あ、いや・・・あ、あの・・・あの・・・ おはようございます!!』 うわー! 見つかってしまったぁーっ! そっか。 そうだよ! 今日もパン屋は営業してるんだったー! 因みに日曜が定休日! (圭から聞いた。) 『ほほぉ。さては楽しみで待ちきれんかったか~? よし、上がれ上がれ。けーいーっ!』 『え?え?いいんすか?』 『おう。いいから上がれ。』 なんか、すげー勘違いされてるけど・・・ 結果オーライ? 『なぁにー?お父さん。』 奥からパタパタと音がして 圭が顔を覗かせた。 『あれ?大和くん。』 『あ・・・あの、おはよ・・・』 『ははは。コイツな? 楽しみで待ちきれんかったらしいぞ~!』 『え・・・。そうなの?』 『え!?や。ち、違・・・・』 『ん?違うのか?』 『え・・・違うの?』 2人が真顔で聞いてくる。 『・・・いや、チガイマセン・・・・・』 『ほれみろー。照れんでいいぞっ!』 『あはは。大和くんてばー。どうぞ上がって?』 『は・・・ぃ・・・。お、お邪魔しまーす・・・・』 『ははは!青少年!上がれ!』 なぜか ご機嫌なお父さんに バシバシ背中を叩かれてる間に 圭がスリッパを出してくれて、 俺は 初めて店の奥に足を踏み入れた。

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