60 / 156

☆14

二次発酵の50分、 また圭の部屋に行くのかと思ったら 最初にお邪魔した居間へ。 こたつに入って、ぬくぬくと 他愛もない話をする。 うーん。 あの圭の告白(だって思いたい)の続きを 聞きたかったんだけどなぁ。 なんだったのかなぁ。 今日はもう言ってくれないのかなぁ。 "もし、圭が俺を好きだったら?" なんて。 考えたら顔がニヤけてしまう。 自分でも不思議だけど、最初っから 圭が男だって分かってても、きっと 俺は圭に惹かれていたと思う。 人を好きになるって、 理屈じゃないんだよなぁ。 『大和くん、大和くん?』 『ん?ん?なに?』 ヤバい、聞いてなかった。 『ちょっと お店に顔 だしてきていい?』 『あ。うん、もちろん。』 そっか。 お父さん、1人で店番してるんだもんな。 平日は、お昼から1~2時間くらい 店を閉めてるらしいんだけど 土曜はお客さんが多いから、 閉められないって言ってたもんなぁ。 圭が出ていって、すぐ。 お父さんが居間に現れた。 『あー。腰がいてぇ。』 『ど、どうも・・・・・』 『よー、青少年。』 『あの・・・大和です・・・・・。』 こたつに入ると、お父さんは マジマジと 俺の顔を見いる。 な、なんだろう・・・。 緊張するんスけど。 『青少年。』 『大和です・・・、はい。』 一応、断りを入れてから返事をする。 お父さん・・・ いい加減、名前を覚えてほしいです。

ともだちにシェアしよう!