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☆13
──10分後。
あんこを包むという、一見 簡単そうに
思える作業。
でも、俺は・・・・
『わー!破れたぁっ!!』
てっぺんが薄くなって
あんこが出てきたり
『あれ?なんで??くっつかない・・っ!』
閉じるところに あんこが出てきて
閉じれなくなったり・・・
四苦八苦しながら生地と戦っていた。
俺って・・・・・
もしかしなくても、不器用?!
横の圭のパンは、真ん丸で
とっても美しい。
うう・・・|||||
凹む。
『あの、あのね?』
と、しばらくは俺のやりたいように
させてくれていた圭が、
もう1度、包み方を教えてくれた。
『おお。・・・なるほど。』
生地の伸ばし方が足りなくて、無理矢理
引っ張ってたのが いけなかったみたい。
次のは上手くいった。
圭に自慢して見せたら、
誉めてくれたのが嬉しくて。
そしたら、もっと楽しくなってきて。
優しい圭は、そんな俺に
残りの ほとんどをやらせてくれた。
形は やっぱり ちょっと
歪(いびつ)だったけど
自分で包んだパンは
なんだか かわいく見えたりなんかして。
はっはっは。
可愛いぞー、俺のパンたち♡
・・・・俺って単純だよなぁ。
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