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☆12
『わー。すっげー 膨らんでる~!』
『すごいでしょ?』
ボウルの中で、倍くらいに大きくなった
パン生地。
つやつやで、これで充分 美味しそうに
見えたりなんかして。
『美味そう・・・』
『あはは。まだだよー。
これからもっと美味しくなるんだから。』
フィンガーテストっていうのをして
発酵が出来てるのを確認。
大きなまな板の上に生地を出して、
ガス抜きをして、スケッパーで
切り分けて、それを 手で丸める。
手で丸めるのは俺も手伝った。
『うわー、うわー・・・・!』
パン生地のさわり心地が・・・・!
すっげー気持ちいいっ!
並んだ生地を見ると、俺のだけ
ちょっと形が、歪なのが丸わかり・・・。
丸めるだけなのに難しい。
まぁ、包んじゃえば分かんないよな!?
よっしゃ!
包むのは頑張るゾッ!
と、気合いを入れていたら・・・
『じゃあ、ベンチタイムで10分休憩です。』
『・・・・え?』
休むの?
もう?
なんか、もう・・・
やる気が空回り。
ガックシ肩を落とした俺の気持ちを
察した圭は、励ますように
背中をポンポンと叩いてくれる。
『次は、いよいよ あんこを包むから
よろしくね?』
『うん・・・。えと、その後は?』
先に聞いとこう。
また空回りする前に。
『2次発酵』
『2次・・・どのくらい?』
『んー、50分くらい?』
『50・・・・・・』
絶句。
なんか・・・・手順が多いんだな。
休憩 多いし。
面倒くさそうってのは
なんとなーく知ってたけど
こんな感じなのかぁ・・・
そうは言っても
もっと簡単なのかと思ってた・・・!
俺、今まで食べてばっかりで
作ってる人の大変さを分かってなかったな。
初めて知った事実に感動して、
パン職人に感謝して
もっと大事に食べなければ!
と思う俺だった。
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