57 / 156

☆11

気まずい空気を感じたのか、 圭は明るく言葉を続ける。 『お、お父さんね? 小さい頃から、おじいちゃんを手伝ってたから 和菓子も上手なんだよ。』 『え・・・?そ、そうなんだー! だから あんなに美味しいんだね!』 俺も明るく答える。 『うん。今度は僕が 引き継ぐ番。 ──って、まだまだ・・・だけど。』 『圭なら大丈夫だよ。頑張ってるし。』 ・・・・言ってもいいかな。 このくらいなら。 『俺に出来る事があったら言ってよ。 何でもするからさ。』 すると、圭は俺をまじまじと見つめて ポポポッと顔が赤く染まった。 『あ・・・ありがとう/////』 それから下を向いて、ゴニョゴニョと、 嬉しい・・・って呟いたのが分かって 俺も嬉しくなった。 『あのね・・・大和くん・・・・////』 『ん?』 『あ、あのね・・・?』 『うん。』 『僕・・・・//////』 『う、うん・・・////?』 意を決したように切り出した圭だけど 言いにくそうに言葉を濁す。 なんだろう・・・。 恥ずかしそうにしてるから 俺までつられて顔が赤くなっていくのが 分かる。 『あのね・・・/////』 な、なんだー///? 何を言われるんだろう、俺は。 シチュエーション的には 愛の告白~? なーんてね。 さすがに、それはないな。 『あのね、僕・・・こんな事 言ったら 嫌われちゃうかもしれないけど・・・ 僕・・・僕・・・/////』 『・・・・・・え?/////』 マジで? これは・・・この展開は・・・・ まさか・・・・・? まさかのホントに////? ドキドキしながら固唾を飲んで待つ。 ────と、 『けーいー!アラーム鳴ってるぞー!』 お父さんの声が響く。 『あ!発酵 終わった!!』 『・・・・・・・へ?』 『行こう、大和くん!』 『あ・・・・うん。』 えー。 マジでー? このタイミングでぇ? なんだったのか 超 気になる・・・! けど、 パン作りモードに がっつり入った圭は もう既に部屋を出て行ってしまっていた。

ともだちにシェアしよう!