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☆1
*** 大和・side ***
ある日の昼休み。
昼食を済ませ、4人で だらだらと話す
いつもの時間。
佑真が クラスメイトに呼ばれ
席を外した。
日直の仕事があるらしく、
俺たちに手を振ると、
2人で教室を出ていく。
その姿を、ジーッと見送る蓮。
佑真の姿が見えなくなると、
「はぁ・・・・」と大きくため息をついた。
『んん?どうした?蓮』
『・・・・・・・・・・。』
聞いてみたものの、蓮は何も答えず
机に伏せてしまう。
うぇぇ??
なに?なんだ?
・・・・・・何かあったのかな?
聞いてもいいものかどうか 迷っていると
『なに?もう倦怠期?』
スマホを弄りながら
のほほーん とした口調で孝之介が聞いた。
『はあっ!?違うわ、バーカ!』
ガバッと顔を上げて、孝之介を睨む蓮。
・・・だけど、孝之介はスマホを見つめたまま
まったく蓮の方を見ない。
『お前・・・聞いてんのか、こら。』
ムス、として孝之介のスマホを
取り上げようと手を伸ばす蓮。
それを画面を見たまま さらりと
交わす孝之介。
『・・・おいこら、孝之介』
『・・・・・・なに?』
『なに?じゃねぇ!聞いてんのか!?』
『聞いてるよ。倦怠期じゃないんだねー。
あー、よかったよかったー。』
『・・・・・・・・・・』
あまりに わざとらしい棒読み・・・・・
(というか小馬鹿っぷりに)蓮は
大きなため息とともに ガックリと肩を落とした。
『なに その態度・・・!ムカつくー。
この鉄化面!無表情、冷血漢のむっつりスケベ!』
『うん、そうだねー。ありがとう。』
蓮の精一杯の口撃も さらりと交わす孝之介。
『うぐぐ・・・・・くーっ!
もう・・やだ、コイツ・・・!』
再び、机に突っ伏す蓮を
気にする様子もなく、
スマホを操作する孝之介・・・・・を
交互に見ながら 俺もため息。
つい、突っ込むのも忘れて2人のやり取りを
見いってしまったけれど・・・・・
鉄仮面・・・・・ねぇ。
つきあいの長い 俺からすれば、
今の孝之介は鉄火面どころか
かなり楽しそう・・・。
いつものポーカーフェイスは
どこに行ったんだ?って くらい。
そのポーカーフェイスが崩れるほどの
スマホの相手は・・・
最近 出来た恋人、なんだろうなー。
何度もしつこくしつこく聞いたのに
誰なのかは教えてくれない。
唯一 教えてくれたのは年上って事だけ。
なんか、意外・・・・・。
ていうか、コイツ
その恋人の前ではどんな顔してるんだろ・・・
気になる・・・・・
でも、
まあ、みんな いい恋してるんだよな♪
俺も圭と順調に愛を育んでるし
孝之介は年上の誰かと。
それに
蓮と佑真だって・・・・・
・・・・・・ん?
あれ?
蓮は・・・・・悩んでる模様・・・
(なんか深刻っぽい)
てことは
蓮は違うの・・・かな?
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