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*** 大和・side *** 『ただいまー。』 『おかえりー、大和。』 『おー、おかえり。』 家に帰ると、いつも居る母親と いつもは帰りが遅い・・・ハズの父親。 『あれ、今日も早いんだ。』 『まーな。えーと、大和の顔を 忘れそうだから?だったっけ・・・。』 『逆。』 『あ、そうか。じゃあ逆で。 俺がお父さんだよー、大和♪』 『お父さんよー、大和♪』 『・・・・・・はいはい。・・ったく。』 またかよ。 さては気に入ったな・・・? これ以上はめんどくさいし まだ何か言ってる2人を無視して2階に上がる。 部屋着に着替えて戻ってくると 待ち構えていた母がスッと手を差し出してきた。 『・・・・・・・・なに?』 『パンは?今日のパンッ!』 『あー・・・今日は完売したから、ナシ。』 『えぇぇーっっ!うそぉっ!やだぁっ! 楽しみにしてたのにぃーっ!』 『・・・・・・・・・・・・・・。』 はぁ。 俺だって楽しみにしてた、つーの。 でも、残るより 売れた方がいいもんな。 『あぁぁ・・・・私のパン・・・・』 本気で落ち込む母に、 父が そっと近づき、肩を抱く。 『母さん、後でコンビニ行こう。 スイーツ・・だっけ?買いに。』 『───っ!いや~ん!お父さん!素敵ぃ!』 『・・・・・・・・・・・||||||』 おいおい。 ババア・・・、キしょいわ。 しっかしまぁ・・・・なんなの、この親。 なんなの?この、ノリ。 圭とは違う意味で不安だ。 やっぱり会わすのやめよっかなー? ───って訳にもいかないよなぁ。 ま、いっか。 なんとか・・・・なるだろ。 『腹へった。母さん、晩メシー。』 『はいはい♪』 『ははは。 もしかして お腹空いてるから機嫌が悪いのかな? 大和はいつまで経っても子供だなぁ。』 『・・・違うし。 そんで、その言葉そっくりそのまんま返すわ。』 『父さんはお腹が空いても機嫌悪くならないよ? 大人だからね♪』 『はいはい。』 大人は いちいち そんな事 言わねーっつの。 ああ。 ・・・・・疲れる。

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