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*** 大和・side *** えーと。 『・・・・あの・・・・・・・さ。』 『『 うん。』』 あー!ダメだ! いざ、言おうとしたら めっちゃ緊張するぅ・・・!! 『・・・やっぱ、お茶 飲む。』 『・・・・・はいはい、お茶ね。』 『やっぱり飲むんじゃないか。』 『う・・・・うん、まぁね。ははは。』 母親がお茶を淹れてくれるのを じっと待つ。 構えたらダメだ。 緊張する前に一気に言おう。 3人の湯飲みが満たされたところで 人生最大級のカミングアウト。 一気に言ってしまえ! 頑張れ!俺! いけっ!!俺っっっ!! 『お、俺・・・っ! 片桐家に嫁ぐ事になりましたっ!』 よ、よし! 言った、俺! よく言った、俺! 『『・・・・・・・・・・はあ・・・??』』 俺の突然の突拍子の告白に、 一瞬にして固まる父と母。 湯飲みを持ったまま 目を見開いて俺を見る。 そして・・・・・たっぷり間をおいて 2人同時に、お茶を吹き出した。 『『ぶ────っっ!』』 『うわああぁぁっっ!!』 正面に座っていた俺は当然の事ながら 2人分のお茶を もろに浴びてしまう。 『あ、あっ()つ!あつぅっ!な、何すんだっっ!!』 『ちょ・・・あんたっ!な、何 言ってんのっ !?』 焦り出す母。 アワアワしていて、落とした湯飲みが テーブルの上を転がっていく。 うん。 ビックリしたよな? 分かるよ? 分かるけど・・・ 俺は・・・俺の決意は固いんだ! 『だから! 俺は圭のとこに嫁に行くんだってば!!』 『はぁ─────っ !? 何、バカな事 言ってんのっ!!』 バァンッとテーブルを叩いて 立ち上がる母。 怒りで顔が真っ赤になっている。 ・・・・・やっぱ、こういう反応か。 俺の親も、 こういう所は まともなのか? くそぉ。 そう、うまくはいかないか。 さて。 どうしよう。

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