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*** 大和・side ***
ぐぬぬ。
くそぉ
早まったか・・・?
でも、いずれは言わなきゃ
いけない事だし
隠しておきたくなかったし。
母さんは、相変わらずすごい剣幕で捲し立ててる
───けど
まあ、予想できる範囲の行動だ。
それより、俺が気になるのは ただ黙って・・・
お茶を啜っている父親の方。
『大和。』
と思っていたら、父親が湯飲みを置いて
俺を見た。
『は、はい・・・・!』
『ありえない。』
『え・・・・・・』
『ありえない。』
『・・・・・・・・っ。』
“ ありえない ”
・・・って
2度も言われた・・・・。
ってコトは
やっぱ、ダメ・・・?
・・・・・・・・・
でも!
俺は諦めないっっ!
どんなに反対されたって、
圭と一緒にいたいんだ、俺は。
『父さん、お、俺・・・・・!』
『大和が嫁? 嫁ぐ?・・・ありえないよ。』
説得しようと口を開いた俺だけど。
静かに、抑えた声で言葉を発する父親に
何も言えなくなってしまった。
父のその表情は・・・やはり怒りなのか、
頬がピクピクと痙攣していて・・・。
こんな父親の顔・・・初めて見た。
いつも穏やかで、争い事を好まない父。
冗談が好きで、いつも笑わせてくれる父。
父親に、こんな顔させるなんて
俺は世界一の親不孝もの・・・。
だけど、俺は・・・・・!
圭と一緒にいたい!
ずっと・・・ずっと!!
その気持ちだけは、絶対に曲げない!
ぐぬぬぬっ!
ま、負けるもんか!
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