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*** 大和・side *** あの夜からお義父さんは部屋に来なくなった。 と言っても、春休みは もう、ほんの何日かしか 残ってなかったんだけど・・・ 圭の部屋で2人きりで過ごす事が出来た。 もちろん、何事もなく。 (あ。キスはいっぱいしたけどね!) そして、お泊まり最後の日。 帰りたくない。 ずっと一緒に居たから寂しい。 離れたくない。 だけど、そんな気持ちを押し隠して 圭に明るく話しかける。 『圭!俺さ、夏休みも泊まりたいな~!』 『うん。もちろん!それ、すごく嬉しい。』 『ホント!?』 『うん・・・・うれ・・・』 『ワシも嬉しいぞー!』 圭の声をかき消す勢いで いきなり ドアがバーン!と開いた。 『お父さん・・・・・・・』 『お義父さん・・・・・』 最後の最後で またも圭の部屋に (邪魔しに)やって来た(らしい)お義父さん。 ちょうど、荷物を持って 部屋を出ようとしていた俺に 抱きつく勢いで飛び込んできたので 慌てて避けたら・・・・・ その勢いのまま、お義父さんに 避けた先に立っていた圭に抱きついた。 『け、圭っっ!なにやってんの!お義父さん!』 『ちょ、やだ・・・っ!もう!お父さんっっ!』 『お!お義父さん!離れてっ!』 『はーなーしーてーっ!!』 『イヤだ~!圭~、愛してるぞ~♪』 『ちょっ・・・お父さんっ!』 『お義父さんんんんーっ!』 なに言ってんの? なにやってんの!? このクソお義父さん(おやじ)ーっっ! ってな感じで 結局、最後までバタバタだった 俺の春休み。 ずっと一緒にいた事で パン屋の大変さと、 圭のかわいさを たくさん知れた。 そして、 お義父さんの面倒くささと、 面倒くささと面倒くささと・・・ 知りたくなかった事もたくさん知れた。 ただ。 ここに本格的に 嫁に来るまでに あの面倒くさい『お義父さん対策』を しっかり練って万全の態勢にしておかねば・・・! そう 悟った俺・・・・・・・・なのであった・・・・ あー、面倒くさ・・・ でも、圭のため! がんばるぞーっっ!!! * * * パン屋のキミと。♡ おわり * * *

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