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そこら辺のペンケースを手に取り値札をめくる。やはり少し手が出しにくい値段だ。同じようなやつが100円ショップで売っている時代なのに。 俺はそっとペンケースを元の場所に戻した。すると後ろからシャツを引っ張られる感覚。振り向くと花小路さんが俺のシャツの裾をちょいちょいと引っ張っていた。どうやらついてきて欲しいらしい。 彼女についていくとそこは香り物のブース。可愛らしい瓶に入ったゼリー状の消臭剤や、スプレー、香水などが置いてある。 少し苦手な場所だった。外来商品といったらまず異なるのが匂いだ。なんでもあっちの国はなにもかも派手だ。匂いだってきつい。そのいろんな種類の匂いが混じり合い、嗅覚をひどく刺激する。 俺はその場所から少し離れて彼女を眺めた。 しばらくしてから彼女は可愛い小瓶を持って俺の元に駆け寄った。その中には淡い緑や青のゼリー状の玉がいくつも入っている。瓶の蓋には小さな穴が円状に空いており、そこから芳香を漂わせている。 「これ...私がいつも部屋に置いてるやつなんです。...いい香りでしょう?」 そう言って彼女は首をかしげた。 なるほど、彼女の香りの正体はこれだったってわけだ。香じゃないんだ、と少しがっかりする。 ...あれ?俺なんで今がっかりしたんだ?

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