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第20話
ソファーの上で身体を入れ替えると、廉は俺の胸に頭を乗せた。目の前でプクンと突き立ったまま、少し赤くなっている乳首を舌先で舐めたりつついたりしていたが、ふっと顔を上げた。乳首への刺激が心地よくて、廉の髪を撫でながらとろとろと意識を宙に漂わせていた俺は、急に廉の動きが止まったので視線をそちらに向けた。廉が真面目な顔をしていた。
「慶生」
「うん?」
「慶生、俺を好きって言ってよ」
ど直球な要求に、開いた口が塞がらなかったし、当然二の句も継げなかった。
廉は俺の上に覆いかぶさるように身を起こすと、顔をグッと近付けた。
「言って、好きって言って」
「バ、バッカじゃねえの!?ガキか、お前は」
「慶生!言ってよ!」
駄々っ子のようにさわぐと、唇を塞いできた。
歯の隙間から入ってきた廉の舌を、迎えるように自分の舌と絡ませてキスをしながら、口を塞いだんじゃ返事出来ないじゃん、とちょっとイラっとしていた。廉は、キスをしながら強く抱きしめていた腕をしばらくしてようやく緩め、目を覗きこんできた。
「チッ!大嫌いだ!」
そう言われて落ち込むかと思いきや、廉は柔らかく満足そうに微笑んだ。
「大好きって、聞こえた」
「うわぁ!ヤバいっ!明日は北高と練習試合があんのに、俺の尻は大丈夫なのか!?」
「うん?見てやろうか?」
尻に伸ばしてきた廉の手を振り払い、奴の頭をワシャワシャとかき回した。
「バカ!変態!今日はもうこれ以上突っ込まれてたまるか!!」
憎まれ口を叩きながらも、腕を回してピッタリと身体を寄せている廉から離れたくないと思っている時点で、勝負はもう着いているんだと自覚していたが、すぐに認めるのはやっぱり悔しいので、今は黙って自分の脚を廉の脚に一層きつく絡ませた。
〈了〉
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