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長い一夜 8

「は……あ……もう出るから……離して」  早くも限界に近づいた佑月は、須藤から逃れようと腰を引こうとした。だが、須藤はそれを許さず佑月の足を抱える。 「んぁあ!」  最後の仕上げにおもいっきり吸い上げられ、呆気なく須藤の口内に出してしまった。それを当然のように飲む須藤だが、佑月にとっては居たたまれない。 「そ、そんなの飲まないでくださいよ……」 「気持ちよくイケただろ? 小さな事は気にするな」  佑月の抗議は一蹴し、須藤は佑月の足を更に高く抱え上げた。 「え!? ちょ、ちょっと、ちょっと……こんな格好……」  見たくもない自分の陰部が目に入り、佑月は慌ててそこから目を逸らす。 「っ……!」  だが奥の(すぼ)まりに、ぬるりとした感触がして、結局そこに目を向けてしまうことになった。佑月の秘所に、顔を埋めて舐めている須藤がダイレクトに目に入り、羞恥で身体が震える。 「やめ……すど……」  そこは排泄だけを目的とした場所だ。決して綺麗とは言えない箇所。  前の時もそうだったが、それを須藤は何の躊躇いも見せず、じっくりと解すように舌を遣ってくる。 「イヤだ……やめ……」  言葉とは裏腹に、腰は疼き、性器も頭をもたげ始めている。そんな佑月を須藤が不意に抱き抱え、身体を反転させると、うつ伏せに寝かせてきた。体勢が楽になったと安堵した瞬間、今度は腰を抱え上げられてしまう。 「ちょっと、さっきから……変な格好ばっか……させないでくださいよ……」 「ちゃんと解さないとお前が辛いだろ」 「ちがっ……」  そういう意味じゃないと言いたいのに、色々と頭の中がぐちゃぐちゃになり、佑月の口から上手く言葉が出てこない。 「いっ……ちょっと待って」  充分に解れたのか、後孔に指を沈めようとする須藤に佑月は待ったを掛けた。  情けないが、一度あの感触を経験してるだけあってか、ここまで来て、どうしようもない違和感が怖くて佑月は頭を振った。  指が少し入っただけでもこんな状態なのに、須藤のなんて絶対ムリだと。 「佑月」  怯える佑月の身体は起こされ、須藤に後ろから包み込むように抱きしめられる。須藤へと首を捻ると、啄むようなキスが何度も降ってきた。 「気持ちいいことしかしない。だから固くなるな」 「……ん」  須藤に性器を柔く握られ、鈴口を親指でくるくると強弱をつけて撫でられる。  その気持ち良さに、佑月の腰から力が抜けていく。恐怖を快感に塗り替えるように、須藤の愛撫は佑月を快楽の海に溺れさせていった。 「は……あ……ん」 「佑月」  リラックスさせるかのように、須藤は時折名前を耳元で囁いてくる。実際、その声と名前を呼ばれることで、身体は更に力が入らなくなっていた。  粘着質な水音が、須藤の指が激しくなっていることを物語るように、大きくなる。指も今何本入っているのか。圧迫感が半端ないが、じっくりほぐされたせいか痛みはなかった。  だがその代わりに段々と熱くなる窄まり。そんな佑月の変化を直ぐに察知した須藤は、佑月を四つん這いの格好を取らせた。 「須藤さ……ん」  咄嗟に振り向く佑月に、須藤は後ろから覆い被さるようにしてから、ゆっくりと抱きしめてきた。

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