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after story 47
「いきなり突っ込むなよ? 徐々に解してだ」
「ん……」
須藤は佑月の頭を撫でながらも、終始心配そうにしている。ペニスは萎えることはないが、一向にイク気配など見せない須藤に、佑月は次第に焦ってくる。恐らく同時進行でしようとするから、上手くいかないのだ。こういう事ではど素人とも言える自分。意気込みもやってることも全てが空回りだ。
「佑月」
「ん……?」
須藤に顔を持ち上げられ、口内からズルリと雄が抜ける。見上げると須藤は少し眉を寄せ、複雑な表情をしている。やはり全く気持ちよくなかったのだと、佑月は肩を落としながら口元を拭った。
「しゃぶるのはいいから、今はそっちに専念しろ」
「ごめん……」
佑月はべったりとベッドに腰を落として、あまりの不甲斐なさに項垂れそうになった。結局は指一本挿入も出来ず、蕾を弄るしか出来なかった。須藤とて、これ以上待たされるのは我慢ならないだろう。
「俺は少しでもアンタに気持ちよくなって欲しいんだ……」
須藤は怪訝そうに眉を寄せたかと思うと、直ぐに口元を緩めた。
「何を落ち込んだのかと思えば。十分に気持ちいい。だから今度はお前を気持ちよくさせたいんだがな」
「……俺のこと早く抱きたい?」
「あぁ、早くめちゃくちゃにしてやりたいな」
須藤の目には、抑えきれない程の激しい欲情の焔 が灯る。その目が佑月に自信を与える。
「佑月?」
「須藤さん、ごめん。もうちょっと待って」
佑月は須藤の脚を再び跨いだ。
「そのまま枕に背を預けて」
そして須藤の胸を押す。酷な事を言ってるのに、須藤は佑月の好きにさせてくれるようで、それに従ってくれた。
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