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  凍えるような寒さで僕は再び意識を取り戻した。冷たすぎる外気に、ココが暖かいベッドではないことに気がつく。首にはめられた鉄の枷は、僕の喉仏を絞めあげるくらいぎっちりでわずかな隙間も余裕もなかった。空気が少しだけ吸えるそんなギリギリの状態で、僕は生かされているようだった。 そして、手足にはめられた鉄の枷もぎちぎちで指先と足先が青紫色に鬱血していた。どくどくと脈が流れて、どくどくと指先と足先に血が溜まっていくのが、解った。低音でブーブーと断続的に振るえているのは、小さな突起につけられたこの小型のバイブの音だろうか?ソレとも、僕の蕾の中に収まりきっていない特大型のバイブの音だろうか? ビクビクと身体が小さく弾けるだけでも、身体の筋肉が硬直して上手く息ができなくなる。鼻水や唾液が食道に流れ込んだだけでも、息がままらならなくなるというのに、こんな醜態姿勢で長時間イカされっぱなしだとまだ家畜の方がましだと思える。 四つん這いでお尻を突きだしたこの格好は、本当に滑稽だろう。お尻の孔から尻尾がはえたみたいに長い管がバイブの取っ手についているのも。 「ああ、ようやく気がついた?」 ほら、今度はちゃんと我慢しなよ。気持ちイイのは解るけど、なんでもかんでもイッちゃうようじゃタダのメス豚でしょう?私のモノだけに反応して、私の命令だけに応じないと。雪梅はそういうと僕のお尻に突き刺さっているバイブを掴んだ。 「始めるよ。最初からクライマックスだと、どうなるんだろうな?」 歯を食い縛ってでも耐えなよと、ソレはもう愉快そうに嗤うのだ。僕はじわじわと心が痛む。痛むのに僕の身体は彼のいいなりで、彼の言葉に反応して期待してざわざわと踊りだしていた。 「…………っか、………っち、ぃい!!」 あっという間にイッしまうのも無理はない。高速回転でドリルのように中をメチャメチャにされるのだから、ソレにくわえて激しくだし入れてされたらいっ瞬で理性は飛んでしまう。 「…………ぁあああああ"、ぃぐ、ぃぐ……ゃい!!ごぉしゃぃ……!!」 僕はなん度も雪梅に謝りながら、冷たい床の上でのた打ち廻った。ビクビクと精子が飛び跳ねて床を汚すが、僕は喉を反らしてイキ捲っていた。 「ねぇ、堪え性のない子は捨てちゃうよ?私に捨てられちゃってもイイのかい?」 れい?といわれても崩壊した理性は戻ってくるハズがなかった。僕は「ぃやぁら」と泣きながら許しを乞うっているのに、僕の身体は雪梅の握っているバイブに腰を淫らに振りながら媚を売っていた。 「フッフ、ハチャメチャだね。どうしようか?困ったね?」 ずくずくとだし入れしていたバイブを奥の奥まで突っ込んだ。亀頭と筒部分が特大な分根元が物凄く短くできているから、容易に僕のお腹の中に収納される。とはいえ、ドリルのように高速回転しているから奥の肉壁をグリグリと刺激されて、僕はあられもない声をあげで啼きまくる。もう気持ちイイが勝って、雪梅の声など聞こえてなかった。 「───ぃしぃい!!!あっあ、あ、あ、あっ、ぉぅく!!!」 真っ白になった視界で僕はそう哭き続けた。星がなん度もぶつかって目の奥がチカチカする。次第に息もままらならなくなって、僕はなん度も失神しかけていた。 「……っか、……………っか、……………っと!!!」 「なんか、ひとりだけ気持ちイイのって、物凄く癪にさわるね」 そういう雪梅は自分のモノを寛げて、バイブの詰まった僕の蕾に押し当てる。そして、高速回転しているバイブを亀頭で押し込んで、悶えのたうち廻っている僕の身体を固定させた。 「ほら、解るかい?私のモノがゆっくりと押し入っていくのがさ?」 ずくずくと差し入れてさせて焦らすように押し入ってくるから、僕は大きく頭を振る。否定的な肯定に雪梅は口端をあげた。 「ん、そう?じゃ、こういうのはどう?」 今度はパンパンと肉と肉を激しくぶつけあって、性急に僕を追い詰め始める。もう完全にできあがっていまでもイき続けている僕は、容赦なく雪梅のモノに内壁を巻つけて搾りあげていた。そして。 「……っはぁ、…………が、………………………き……!!」 しゅき、ぎもじゅぃいと腰を激しく旋回させている雪梅にお尻を突きだしていた。憎悪よりも先に愛が深くなる。なのに、自分だけがこんなにも雪梅が好きだということが悔しくって堪らなかった。雪梅の好きな「れい」って、誰と聞きたくなってしまうほど、僕はこの雪梅に溺れていた。また、酷く執着に抱かれるほど、僕はこの雪梅から離れられなくなっていた。 「ああ、なんて愛らしいんだろう。れい、あの頃のように私だけをみて、私だけを求めて。そして、私だけをいつまでも愛しておくれ」 どんなにれいが嫌がろうとも、私はけっしてれいを離したりはしないよ。 壊れたレコードのように夢の中の雪梅が、なん度もなん度も囁いてくれていた言葉が僕の耳に届く。嘘偽りもないその言葉に、僕の心が弾けた。同時に鉄の枷についていた鎖がすべて外れた音がして、僕は身を翻していた。 雪梅を押し倒して馬乗りになる。薄く嗤う雪梅の唇に舌を這わせて僕は、ゆっくりと僕の中に収まっていたバイブを引き抜いた。ブルブルと回転しているバイブを投げ捨て、そのバイブでゆるゆるになった孔に雪梅のモノをねじいれる。すると。 「れい、合格」 そんな雪梅は父様と同じようなことをいって、激しく僕を下から突き上げだす。だが、僕はその意味が解らなかった。だけど、雪梅の腰の動きにあわせて僕の腰を振りだしていた。ぐちゅぐちゅと雪梅のモノで中を掻き廻されるのが気持ちよくって、雪梅に絡めとられる舌が甘くって熱かったから、もうどうでもよくなっていたのかもしれない。 「…………さぁって!!」 胸を突きだして僕はそう強張る。雪梅はソレはもう嬉しそうに「解った」と僕の小さな突起に舌を這わせて口に含んだ。僕はあられもない声をあげて、強張り続けたことはいうまでもないだろう。  

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