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「ぜ、全部、ですか?」
「うん」
布団を剥いでシーツの上に座る。「ここでしてもいい」って、智駿さんにオナニー見せろってことで間違ってない、よね? それなら服なんて脱ぐ必要ないのに智駿さんは全裸になれ、っていう。これは期待してもいいのかな。エッチな展開を期待しても。
男の人の前で脱ぐのにそんなに抵抗を覚える必要なんてないのに、そういった場面のなか服を脱ぐのは恥じらいを覚える。でも、これから智駿さんとエッチな展開になるかもしれないと考えると、抵抗する気は起きない。じっと智駿さんに見つめられるなか、俺はそろそろと服を脱いでゆく。
「……っ」
シャツを脱いで、かあっと顔が熱くなった。さっき弄られた乳首がぷっくりふくらんでピンク色になっている。ほんとうに俺の身体?って思うくらいにエロい。これを智駿さんに見られているのかと思うと身体が火照ってくる。
「智駿さん……はずかしい、です……」
「ん?」
「……、」
あ、智駿さんやっぱりサディストだ。そんなに優しく笑って、俺の羞恥心を煽ってくる。
下を脱ぐのを少し躊躇ったけれど、ちらりと目で訴えても智駿さんはにこにこと笑っているだけ。仕方なく、俺は意を決して下を脱いでゆく。
「あっ……」
ぷるん、と勃ったチンコがでてくる。一人だけ全裸になって勃起したそれをみられている俺の心境はといえば、それはすごいもので、全身が恥じらいで真っ赤になった。智駿さんのことを見ることもできなくて俯いていると、くすくすと笑い声が聞こえてくる。
「梓乃くん、こっち」
「へ?」
「ここ、座って」
「え、ええっ……」
ぽんぽんと智駿さんが胡座をかいた自分の太ももをたたく。智駿さんって自分の上に座らせるの好きなのかな。ケーキを食べさせてくれるときも座らせられた。ただ、今回はあの時とはあまりにも状況が違うというか……。
恥ずかしさでいっぱい。でも、いやだなんて全然思わない。俺はゆっくりと、智駿さんに近づいていってそこに座り込んだ。
「脚は、こう」
「ひ、あ……ッ⁉」
突然されたことに、俺はたまらず甲高い声をあげてしまった。智駿さんが俺の太ももを軽く掴んで、開脚させてきたのだ。思い切り、恥ずかしいところを曝け出す格好。男がするポーズじゃない。
「や、やだ……ちはやさん……」
「いや?」
「……っ」
お尻の穴がヒクヒクしている。やだって言ったけれど、ほんとうは嫌なんかじゃない。恥ずかしいことをさせられて、嬉しい。ドキドキする。意地悪な智駿さんの質問に俺は答えられず、黙り込む。
「じゃあ、して」
「へっ」
「僕がみてるから。梓乃くん、いつもみたいにやってみてよ」
……智駿さんの意地悪に、心が蕩けてしまいそう。こんなに密着して、恥ずかしい格好をさせられて、そんななかで一人エッチしろなんて。いっそそのまま智駿さんがイかせてくれてもいいのに、なんて思うけれど、こうしてお預けされているのがまた、たまらない。
「ん……」
片手で軽く、堅くなった俺のものを掴む。智駿さんにいじめられて勃っちゃったんだな、と思えばじん、と胸のあたりが締め付けられる。
「いつもこうしているんだ?」
「……っ」
ここはさすがに本当のことは言えず、俺はこくりと頷いた。まさか「お尻にディルドずぼずぼしてます」とか「さっき乳首でオナニーしました」なんて言えるわけない。普通のオナニーっぽく(?)チンコを軽く扱いて、刺激してやる。
「ん、ん……」
なんでだろう。いつも一人でしているときよりも、気持ちいい。いつもなら声なんて出さないでできるのに、今は勝手に声がこぼれてしまう。でも……すごく気持ちいいのかと言えばそうではなくて。最近、ディルドを使ったオナニーばかりしていたから、チンコをいじるだけだと物足りなく感じてしまう。そのアナルオナニーで感じていたのかといえばそうではないけれど、オナニーをするときはお尻に何かをいれていないと、なんだか物足りないと……そう感じてしまうのだ。
これ、やばいかもしれない。俺、本当にメス化してない? ああ、こうしてチンコいじっているあいだにも、お尻の奥がヒクヒクして欲しい欲しいって言ってるし……チンコ以外でイキたい。俺、女の子みたいなイキ方したい。
「梓乃くん、こっちも触ってみて」
「あっ……」
「好きでしょ、ここ」
俺がむずむずとした顔をしていたからだろうか。智駿さんが俺の片方の手を、乳首まで誘導させた。これは……乳首オナニーしろってこと? 男が乳首でオナニーしているところ……智駿さん、みても引かない? っていうか俺が乳首いじられるの好きってバレてたの?
「んっ……」
恐る恐る、といった風に乳首をつまんでみる。さっき、ひとりでちょっと触ったときも、智駿さんを想いながらだとちょっと気持ち良かった。今……ちはやさんに緩く強制されて乳首オナニーをすると……
「あっ……あ、ぁ」
気持ちいい。智駿さんに触られたときみたいに、気持ちいい。智駿さんに触られるのに比べたらちょっと足りないかもしれないけれど……くに、と指で軽く潰してみるときゅううんってお尻の奥が疼く。
これ。これが好き。お尻がきゅんきゅんする気持ち良さが、俺、好き。ほんとうはなかを弄って直接ぐちゃぐちゃしたいけれど、チンコを弄ったときと違う、この女の子みたいになかがきゅんきゅんする気持ち良さが、俺、好き。
「んっ、んっ、」
もっとぎゅうぎゅうに摘んで乳首いじめて、自分を追い込みたい。でも、智駿さんがみているところでそんなことできない。遠慮がちな乳首オナニーと、ゆるゆるとしたチンコの刺激、足りない快楽に、おれはどうしようもないもどかしさを感じていた。
「梓乃くん、かわいい」
「あ、ぅ……」
「自分でこんなところ、触って」
俺が緩いオナニーで物足りなさを感じていたところに、智駿さんがぴん、と俺の乳首を弾いた。
その瞬間……きゅううんっ、と身体の奥がヒクついて、腰が跳ねてしまう。
「あぁんっ……!」
今の声……だめなやつ。もう俺、男らしさホントどこかにいった。でも、しょうがない、今のほんとうに気持ち良かった。ほんとうに、いじめられてる……そんな感じがして。もう一回、智駿さん、乳首弾いて。自分の指じゃ足りない……
「ぁんっ……」
俺の願いが届いた。また、弾いてくれた。
「あぁっ、ん……」
あ、また……
「ふぁっ……!」
また……
ぴん、ぴん、と一定のリズムで智駿さんが乳首を弾き始める。その度に俺が大袈裟なくらいに声をあげるせいか、智駿さんが俺の耳元でくすくすと笑っている。
「はぁっ……あぁ……」
お尻のなかのヒクヒクが止まらない。こんな焦らしみたいな責めをされてこんなに感じてるなんて、俺ほんとうにMみたいだ。思い切り触られて感じまくるのも好きだけど、こうして焦らされて「待て」されるのも、大好き。もっと乳首をぎゅーってして欲しいけれど、こんなふうにちびちびと刺激を与えられるのも……
「あぁあんッ……!」
なんて、思っていたら。突然智駿さんが乳首をぎゅううっとひっぱってきた。目の前が真っ白になってちかちかして、イキそうになって甲高い声をあげてしまう。
「梓乃くん。手、止まってるよ」
「はっ……はっ……ごめんな、さ、」
「僕、梓乃くんの感じている顔もっとみたいから頑張って」
「あっ……はいっ……」
「それとも」
強烈な快楽の余韻に酔っている俺の顔を、智駿さんが掴む。そして、振り向かされて目を合わさせられて、囁かれた。
「僕に触られるほうが、好き?」
ひゅ、と息を呑んだ。ゾクゾクした。すごい、すごいすごい。俺、今、智駿さんにいじめられているんだ。俺やっぱりいじめられるの大好きだ。智駿さんの言葉に身体中が熱くてきゅんきゅん疼いて、イキそうになる。
「おねだりしてみて」
「……ッ」
おねだり、ってどうやって。「乳首こりこりしていじめてください」って? まさか、そんないやらしいこと言えない。でも、でも……
「触って欲しくないの?」
「ひゃ、あぁっ……ん」
きゅうーっと乳首をひっぱられて、ぱ、と離される。もう俺の乳首はぷくぷくに膨らんでいて、触って触ってって懇願している。でも、智駿さんはそれっきり触ってくれなくて。俺が口ごもっていれば、時折ぴんっと弾いてゆすってくるだけ。
「やっぱり自分でやる?」
「あっ……やっ……あぁんっ……」
「ほら、梓乃くん」
「はぅっ……ち、はや、さん……」
いじわる、いじわるいじわる。もっといっぱい触って感じさせてイかせて欲しいのに。でも俺、そんなこと恥ずかしくて言えないのに……
「ちは、やさん……もっと……もっといじめて……」
必死に、絞り出して、おねだりする。これ以上のこと、俺、言えない。頭のなかではすごく卑猥な言葉で智駿さんにおねだりしている。でも、そんなこと智駿さんにひかれるから、できない。
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