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「……」
朝日が差して、目を覚ます。ちゅんちゅんと鳴いている雀の声が、爽やかな朝にふさわしい。
でも、俺が爽やかな気分かというとそうではない。今、俺を抱きしめてすやすやと寝ている智駿さんにエッチなことをされる夢をみたからだ。昨日乳首をいじめられたからか、夢の中でもひたすらに乳首をいじめたおされた。夢の中だからか気持ちいいとかの感覚はよくわからないけれど、俺はきゃんきゃんと鳴いてよがっていた。ずーっと、しつこいくらいに乳首をこりこりくにくにされたり、ひっぱられたり、乳首にバイブをごりごりされたり。変態臭い夢をみてしまって、俺は自己嫌悪に陥っているのだった。
ほんとに、俺、マジでエロいこと考えてばっか。これじゃあヤリモクみたいじゃん、って思う。でも仕方ないって、思わなくもない。チンコ以外で感じるのって、信じられないくらい気持ちいいから。智駿さんの声を聞きながらディルドでオナったときとか、昨日乳首をいじられたときとか……あの気持ち良さを知ってしまうと、もうそのことで頭がいっぱい。一瞬でもそのことを思い出すと身体の奥がじんじんと熱くなってきて発情してしまう。
「……ん」
また、思い出してしまう。すうっと智駿さんの匂いを吸い込むと、お尻の穴がきゅっと締まった。
昨日、寸止めされちゃった。身体がまたむずむずしてきたし。ちょっとだけ……
俺は布団の中で、そっと自分の胸元に手を伸ばす。そして、服の上からこしょこしょと乳首を指で引っ掻いてみた。
「ぁ……」
アナルオナニーの次は乳首オナニーか……。着々と変態への道を進んで行っている気がする。しかも今回は、寝ている智駿さんの腕の中でだ。本当に、自分のサルっぷりにはドン引きだ。……でも、止まらない。
「……っ」
かり、かり、と服の上から乳首をひっかくと、ぞくっとする。でもやっぱり、自分でやるとそこまで気持ちよくない。昨日の智駿さんに触られたときと比べると、全然刺激が足りなかった。
きゅ、とつまみあげてみる。そして、くいくいと引っ張ったり、こりこりとしてみたり。刺激はちょっと足りないけれど、男なのに乳首でオナニーしている自分に興奮してきて、頭の中がぼーっとしてくる。そして、ふわっと漂ってくる智駿さんの匂いが、更に俺の興奮を煽る。
「……ん、……は、ぁ……」
それでも、やっぱり足りない。昨日よりも全然気持ちよくない。お尻の穴がひくひくしないし、奥のほうがきゅんきゅんもしないし。もっと智駿さんを感じなきゃ、俺はイケない。ぴた、と智駿さんの胸元に顔を寄せて、いっぱいに匂いを吸い込んだ。
「……ッ! あ、……ぁっ」
匂いが身体の中に入り込んだ途端、ぞくぞくぞくぞくっ、と快楽が全身を突き抜けた。やっぱり、俺、智駿さんを感じると、身体が敏感になる。一人エッチをするにしても、こうして智駿さんを感じていたい。
「は……っ、ぁ……ッ、く、」
智駿さん、智駿さん……
「は、ぁっ……⁉」
智駿さんの匂いに酔うように自分の身体を慰めていると、突然、ずくんと下腹部が熱くなる。何が起こったのかと俺がギョッとしていれば、お尻の割れ目のあたりに智駿さんの手が入り込んでいる。そして、穴があるあたりを、ぐ、ぐ、と布越しに押してきていた。
「あっ……ふ、……ぁあっ……⁉」
なに、これ。男同士でエッチをするときに使うソコをそんな風に刺激されて、俺の身体はビクビクと震えてしまう。ぐりっとされるたびに奥のほうがキュンッと締まって、腰が跳ねる。
「あっ……ぁ、ンッ……ち、はやさ……」
起きてたの、智駿さん。もしかして俺がオナニーしてるの、気づいてた? 恐る恐る智駿さんの顔を確認してみれば……智駿さんは目を閉じている。寝ている、のだろうか。じゃあ、これは寝ぼけて……?
「ひゃっ……あぁッ……」
お尻から手が退いて、胸元にやってくる。そして、自分の指でいじりまくってふくれた俺の乳首を、きゅううっ、と摘んだ。そして、解放されて寂しげな下半身には、智駿さんの脚が。俺の脚の間を割るように智駿さんの脚が入り込んできて、腿のあたりで股間をぐりぐりっとされる。
「あっ、あっ、……やっ……ちはや、さん……」
ほんとうに、寝ぼけてる? こんな風に寝ぼけながら責められるもんなの? そんなこと、俺にはわからない。寝ぼけているのか、そういうフリをしているのか……そんなことは智駿さんにしかわからない。ただ俺に許されるのは、智駿さんにいじめられながら声を堪えることだけ。一人で触っても全然乱れないこの身体が、大好きな智駿さんに触ってもらってビクビク悦んでいるけれど、声をだしちゃ、だめ。だって智駿さんは、「寝ている」から。
「んーっ、んっ、……ふ、」
ぎゅっと手で口を塞ぐ。それでも、声はでてしまう。気持ちいい。やっぱり、智駿さんに触ってもらうと俺の身体は悦んでくれる。自分で触っても精々エッチな気分になるだけだった乳首は、智駿さんに触られると性感帯になって。きゅっ、てされるたびにお尻の奥がヒクヒクッと嬉しそうに疼いてしまう。
「あっ……あっ……!」
その疼くお尻を、智駿さんの脚がいじめる。ぐりぐりとチンコと穴の間を擦りあげてきて、お尻の奥の方の熱いところにその振動が届く。奥のほうから、甘い蜜がこぼれ出すような錯覚を覚える、そんな気持ち良さ。じーん、じわじわ、と熱がふくれあがってぞくぞくしてきて、これが女の子のイキ方なんだな、と思った。
「あー……あーっ……だめ……」
俺、智駿さんに女の子にされている。チンコじゃなくて、乳首とお尻でイカされそうになっている。
智駿さんの脚の動きに合わせて俺の身体が揺すられる。この、純情に智駿さんに身を捧げている感じ。好き、こういうの、すごく、好き。
「ちはやさっ……いくっ……い、いく……あっ、あッ……!」
やばい、やばいやばい、気持ちいい……! 智駿さんにイかされちゃう……‼
「――梓乃くん」
「……っ、」
もう、イっちゃう……そんなとき。不意に名前を呼ばれる。ハッとして顔をあげると智駿さんが微笑んで俺を見下ろしていた。
やっぱり智駿さん、起きて……
「かわいい」
「おきてたん、ですか……」
「ごめんね、かわいすぎていじめたくなっちゃった」
ふふ、と智駿さんが笑って俺を抱きしめる。そうすれば智駿さんの熱と匂いに包まれて、俺の身体に蓄積した快楽がじわじわと膨らんでゆく。
また、寸止めだ。智駿さんの、いじわる。イきそうなところで寸止めなんてされたら……
俺、頭とからだがエッチなことでいっぱいのまま。こうして抱きしめられて、匂いでまた発情して……中途半端になった快楽が爆発しそうになる。
「あ……ぁ……」
「梓乃くんの身体、熱いね」
「ちはやさん……」
智駿さん、エッチに関してちょっと俺に遠慮している。もっと、ぐちゃぐちゃにして欲しいし乱暴にされたいし、ひとつになりたい。でもそんなこと言えなくて、俺はゆるゆるとした智駿さんの責めに悶えることしかできない。こうして抱きしめられて、匂いで発情して、びくっ、びくっ、と震えながらもイけない……そんな、焦らされている感じにも、たまらない興奮を覚えた。智駿さんに翻弄されている自分が、好き。
イキそうなところまで責められて、快楽でいっぱいになった身体を抱きしめられるのは気持ちいい。はあはあと息をこぼす俺を労うように智駿さんが頭を撫でてくれるのも、気持ちいい。でも……
「智駿さん……」
「ん?」
「あ、あの……お手洗い貸していただけませんか……」
ぶっちゃけ、俺、今勃ってる。ふわふわした気分でずっと抱きしめられていたいところだけど……ずっとこのままでいるのは結構辛い。トイレでさっと抜いてこよう、そう思ったら、
「ここでしてもいいよ」
「えっ⁉」
「……これ、処理してくるんでしょ」
「あっ……!」
……智駿さんに、バレてた。つ、とチンコを撫でられて変な声を出してしまった俺を、智駿さんがいじわるに笑って、見下ろす。
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