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「梓乃~! お願いがあるんだけど!」  智駿さんと所謂お家デートをしてから日が経って。智駿さんに会いたくて会いたくて震えてしまうそんな金曜日。あと数日で智駿さんとデートできるけれど、ここまで我慢してきた辛さもそろそろ嵩んできて苦しい金曜日。今日は授業が五限まであってバイトもいれていなかったから、授業が終わってさっさと帰ろうとした俺に、瑠璃が話しかけてきた。 「デートしよ、デート!」 「……お断りします」  へへ、とわざとらしく笑ってそう言ってきた瑠璃に、俺は迷わずNOを出した。俺と瑠璃は所謂イツメンというやつで、お互いに恋愛感情を持つ時はこれからおそらくやってこない。だから「デート」なんて言葉を使ってきて笑いかけてきた瑠璃の本当の頼みには、嫌な予感を感じざるを得なかったのだ。 「お願い! 梓乃くらいしか頼めないんだって」 「……何を?」 「……彼氏の誕生日のケーキ選ぶの手伝って欲しいんだけど!」

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