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「次、3本」 「も、むり……」 「やめるの? もう、十分?」  ふふ、と智駿さんが微笑んで俺をベッドにうつ伏せに転がした。散々前立腺責めをされてくったりと横たわっている、そんな俺に智駿さんが覆いかぶさってくる。そして耳をぺろりと舐められて、そのまま囁かれた。 「僕の、欲しいんじゃないの?」 「ほ、し……い……」 「そう。僕もはやく梓乃くんのなかに挿れたい」  腰を掴まれて、腰だけ高く突き上げさせられる。びしょびしょのお尻を強調する格好だ。恥ずかしいと思っても、抵抗する気力すらない。 「ほら、じゃあおねだりして。三本目、挿れてくださいって。調教してくださいって」 「あっ……」  調教……。ぞくぞくっとした。その言葉だけで、感じてしまった。そうだ……これは、お尻の穴を調教されているんだ。智駿さんのものを受け入れて気持ちよくなれるように、開発されている。  俺に、拒否する権限なんてない……。おねだり、するんだ。三本ぶちこんで、俺のことめちゃくちゃにしてくださいって。智駿さん……調教して。俺のからだ、智駿さん仕様になるまで思いっきり、調教、して。  俺はゆっくりと、その体勢のままで脚を開く。そして、ぬれぬれのお尻の穴に指を添えて、くぱっと開いた。 「ちょうきょう……してください……おれの、おしりのあな……たくさん、ちょうきょうして……」  とろーっとローションがお尻の穴からつたい落ちる。その感覚に脚をぶるぶると震わせながら、俺は智駿さんの言葉を待った。穴を指で広げるなんて、恥ずかしいポーズを取りながら。 「……わかる? 梓乃くん。梓乃くんのお尻の穴、ひくひくしてるよ」 「はい……」 「すっごく欲しそう。いやらしいね」 「はい……いやらしいです……」  くすくす、智駿さんの笑い声。それに反応して俺のお尻の穴がヒクヒクって疼く。このヒクヒクもバッチリ見られているんだ……そう思ったら、きゅうんって穴がしまって、またこぽってローションが溢れてきた。「あふっ……」なんて、声が漏れる。 「いやらしいね。いやらしいから……きっちり調教してあげる」 「あぁっ……ちょうきょう、して……っ」  調教してあげる、そう言われた瞬間に俺のお尻の穴はだらしなくヒクついた。わかりやすい、ソコ。ヒクヒクッヒクヒクッて激しく疼いてしまっている。 「いいこ、梓乃くん」 「あっ……」  ぬるっ、と穴の周囲を撫でられた。それだけで俺の腰は跳ねてしまうというのに、智駿さんがこれからしてくるのは…… 「痛かったら言うんだよ」 「んっ……あぅ……」  指、三本責め。ずぷぷって指がゆっくりとなかにはいってくる。やっぱりディルドで広げてあるそこは指3本くらいなら飲み込んでくれた。痛みもなく3本を受け入れた俺のお尻の穴は歓喜に震えていて、下半身はガクガクと震えだす。 「あぁん……」 「ん、梓乃くん、気持ち良さそう」  ぬぷっ、ぬぷっ、と智駿さんが抜き差しを始めた。俺が痛がらなかったから安心したのか、優しげな笑い声も聞こえてくる。 「あんっ……あんっ……」  ズプッと奥に入り込むとじゅわって熱が染み出すような快楽を覚えてビクンッて腰が跳ねて、ズルルッて引き抜かれるとゾゾゾッて寒気みたいなものを感じて身体が震える。それを繰り返されるとゾクンッゾクンッてしてわけがわからなくなって、必死にシーツを掴むことしかできない。 「あぁっ、はぅっ、んぁっ」 「梓乃くんのここ柔らかいね。とろとろ」 「あぅんっ……」  上の方から智駿さんがとろとろとローションを足してくる。その間にも抜き差しは止められることもなく。じゅぶじゅぶと速度を増してゆく抽挿に俺はどんどん追い詰められていく。 「はっ、はっ、はぁっ、」  太ももに大量のローションが伝ってゆく。もう俺は腰がガクガクして、智駿さんに思いっきり腰を突き出していた。  もう、抜き差しのスピードはかなりのものになってゆく。ずぼずぼと結構遠慮なく抜き差しされて、俺は激しく喘いでいた。泣き声に近い喘ぎ声をあげて、シーツに額を擦り付けてただ連続で訪れる絶頂に耐えている。 「あぁーっ……! やっ、……あーっ!」 「柔らかいし感じやすいし……梓乃くんのここ、うまく調教できてるよ」 「んぁっ……! もっと、ちょうきょう、してっ……!」 「ん? もっと激しく?」 「あーっ……!」  ズボズボズボズボッ、て、もう、ほんとに、激しい。イって、イって、イキまくって。俺は涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、全身をガクガクと震わせながら、感じまくっていた。 「ぁ……あ……」  もう、何回イったのか、自分が何を言っているのか、わからない。下半身がビショビショになって、顔は涙と唾液で濡れて。このまま壊れてしまいそうで狂ってしまいそうで怖くなって、俺はたまらず逃げ出そうとした。手を伸ばして、遠くのシーツを掴んで、そして脚を少し前へ…… 「梓乃くん」 「あっ……」  でも、逃げることは叶わなかった。ぐいっとお腹に手を回されて引き戻される。再び智駿さんに抱かれるようにして座らせられた俺は、あっさりと逃げる気力を失って、えぐえぐと泣きながら智駿さんに縋り付く。 「もう、やめる?」 「……や、め……ない、」 「逃げようとしたでしょ?」 「ごめんなさい……やめないで……」  心と身体がばらばらになるってこういうことを言うのだと思った。心は智駿さんにいじめられたくてたまらないのに、与えられる快楽に身体が耐えられない。もっと酷くして欲しいって思うのに、勝手に身体が逃げてしまう。  やだ、やだ、やだ、智駿さん、いじめて。酷くして、おかしくして、めちゃくちゃに、して欲しい。  言葉には、出てこない。でも必死にその想いを伝えようとした。かたかたと震える腕を智駿さんの首に回して、キスをする。泣きながら、ちゅ、ちゅ、と唇を擦り付けるようなキスを繰り返した。 「もっ、と……ちはやさん……」  必死に、必死に、懇願して。これからもっと激しく責められて大変なことになってしまうとわかっていても、やめて欲しくない。とにかく智駿さんに身体を触ってほしい。やめないで、やめないで……そう願っていれば、智駿さんがぐっ、と俺に噛み付くようなキスをしてきた。 「んんっ……!」  激しい。そのキスは、激しい。触れ合ったところがどろどろと蕩けていく、そんな錯覚を覚えるほどに、激しい。そのキスだけでも俺はイって、またビクンと跳ねて。そうすると智駿さんが唇を離して、俺をすっと見つめてくる。 「……っ」  息が、止まりそうになった。その瞳。ゆらりゆらりと燃える瞳。俺の心臓を射止める熱。これは……智駿さんが、俺を欲しいって思ってくれているときの、瞳だ。 智駿さんがくるっと俺の体をうつ伏せにして。そして、覆いかぶさってくる。ぐっと背面に圧迫感を感じて、また体の奥が疼いた。 「すこし、脚を閉じてね」 「な、なに……ちはや、さ……あっ……!」  にゅるんっ、と俺のふともものあいだに智駿さんのものが入ってきた。これ……もしかして、素股ってやつ? どうしよう、俺、最後まで正気を保てる自信ない。 「あっ……」  両手でがしりと腰を掴まれて、腰を持ち上げられる。獣みたいな体勢をとらされた。やばい、……これ、すごく征服されてる感じがする。 「やっ……」  智駿さんのが引き抜かれると、にゅるっとした感触がアソコに伝わってきた。抜く瞬間に智駿さんはソレを俺のお尻の穴をこすりあげるように割れ目にねじ込んできて、なかまでゾクゾクして感じてしまう。こすられたソコから、じわっと熱が入り込んできて浸透していく感じ。  なかに挿れられたい……なかに欲しい、欲しい……入り口のあたりを刺激されると、欲しくなる。まだ智駿さんのを挿れられる段階ではないとお互いわかっている状態で、こんな俺の欲を煽るようなことをしてくる智駿さん。いじわる。いじわる、いじわる……だいすき。 「あぁんっ」  欲しくて欲しくてウズウズしてると、パァンッ、と力強く腰を打ち付けられた。勢いよくソレをふともものあいだに突っ込まれて、そして腰が激しく揺すられて、俺はたまらず仰け反りながら甲高い声をあげてしまう。 「んぅっ……! んぁっ……!」  ずるっ、ずるっ、とローションの滑りもあわさっていやらしい感触が内腿に走る。指でなかをいじられるときと違って、腰全体をドシンとぶたれる感覚と同時に快楽がやってきて、まるでほんとうにセックスをしているような気分。パチュパチュと音が響いてそんな水っぽい音がたまらなく卑猥で、どんどん気分が昂まってゆく。 「あっ、あっ、あっ……」  ぬりゅぬりゅとお尻の穴をこすられる。そしてローションの滑りを使われてチンコをしごかれて、さらには乳首をこねくり回される。  そんな、一気に責められたら、俺…… 「あっ、あっ、いくっ、いくっ、」  なかにもぶちこまれたい……そう思いながら、俺はあっさりと達した。「んぅっ」って俺が呻いて身体を強張らせると、智駿さんが動きを早めてくる。 「あーっ……! あぁあーっ!」  体の力が抜けて、シーツを掴んで。パンッ! パンッ! と激しく突き上げられて、俺は体を揺さぶられることしかできなかった。  お尻の穴、ほぐして欲しかったけれど。この、セックスをしているみたいな感覚に俺はたまらなくなって、感じまくってしまった。何度も何度も突かれて、そして智駿さんと一緒にイクことができた。  わずか、乱れた智駿さんの吐息。あんまりにも色っぽくて、かっこよくて、それをみただけでまた俺はイっていたのかもしれない。  智駿さんも一緒に気持ちよくなれた……。その満足感に満たされて、さーっと頭が真っ白になって……そして、俺の意識が、ふっと途絶えた。

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