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 AVとアダルトグッズ、なんていう酷い荷物を持ちながら、俺は帰宅した。白柳さんは前科があるし相変わらず胡散臭い雰囲気が漂っているから警戒していたけれど、今日は案外あっさり返してくれる。でも「今日も梓乃くんは智駿のために開発オナニーしちゃうのかって想像すると興奮するねェ」なんて帰り際に言われたから、あの人は絶対に信用しない。  ご飯を食べてお風呂に入って、ようやく落ち着いたころに俺は自分の部屋に戻る。扉の鍵をかけて、ドキドキとしながらDVDを袋から取り出した。  白柳さんに半ば押し付けられる形で借りたAVだけれど、気になるものはしょうがない。今までは中途半端な場面しか配信してない動画サイトくらいでしかこういう動画をみたことがなかった、というのもあるし、智駿さんの好みらしいということもあるし。エロい動画がみたいというよりは興味深々といったドキドキで、俺はDVDをノートパソコンにセットする。 「……ほー」  大抵のAVの始まりは、しょうもない芝居から入る。女教師とか、保険医とか、そんな設定をざっくりと説明するための雑なストーリー。そこからもう、このAVは俺のよく見ているエロ動画とは雰囲気が違っていた。まず、画面が暗い。俺がよくみているのは日向とかフラッシュが飛んでいるところとか、そんな明るいところで撮影された眩しい映像からはいって、女優も輝く笑顔を振りまいているけれど……このAVはそうじゃない。昼下がり、外の明かりが微妙に差し込むキッチンで、うなじの綺麗な女優が料理をしているところの後ろ姿が映る。とん、とん、と包丁とまな板のぶつかる音が響く、日常のようで非日常な映像。妙な、しっとりとした湿度の高い色気。 ――人妻ものだ。若い人妻が、浮気をするストーリーのAV。あんまり人妻に興味のなかった俺はそういったものはみてこなかったから、ここからどう展開するのかよくわからなかった。 「……おー、きたきた」  しばらくみていると、今回の男優と思われる男が登場する。AV視聴者にはありがたい、極端なブサイクではないけれど決してイケメンではない、そんな男。歳は30は超えていそうだ。これはねちっこいエロがありそうだなー、たしかに智駿さん好きそうだなー、なんて期待大で俺は画面を見続ける。 「……」  男が、女優をソファに押し倒した。セーターをめくり上げて、下着もずり上げる。そうすればでてきたふっくらとした胸に、男はしゃぶりついた。片方の乳首を、ぎゅうっとつまみあげながら。 『っ……あっ……、……ッ、』  女優は目をとろんとさせながら仰け反る。男の胸への責めがどんどん激しくなっていけば、女優の身体はくねくねとくねりはじめた。うっとりとした顔で、はあはあと息をしながら女優は感じていて、かなりエロい。でも、俺がみてて思ったのは…… 『んっ……、……は、ぁ……っ、……』  この女優、あんまり声をあげないんだな、ということ。  服を乱されて、下を触られても、結局女優は最後まで声を我慢していた。でも、体と表情で感じていることをしっかりと表していてものすごくエロかった。  ……智駿さん、声を出して喘ぎまくるのよりも、こうして堪えているほうが好きなのかな? エッチしているときの自分を省みて、俺はさっと血の気が引くのを感じた。  ……俺、ものすごく声をだしているような。  このままだと智駿さんに飽きられちゃうかも……エッチがだめだったら他の人がいいって思っちゃうかも……俺は慌ててしまう。声、ださないほうがいいっていっても智駿さんとのエッチが気持ちよすぎて我慢は難しい。智駿さんに抱かれるとすごく声がでてしまう。 「……練習したほうが、いい?」  俺はちらり、とベッドに放り投げていたアダルトグッズの袋をみつめる。  のそのそと、袋を開けてみた。ひとつは例のヤバイらしいバイブ。あともうひとつは……媚薬と書いてある。媚薬とか本当に存在するのかよ……と思ったけれどとりあえずパッケージからだしてみる。軟膏とかにありそうな、チューブタイプの塗り薬だ。 「……」  これで敏感な身体になれるんならいいんだけどな。智駿さん好みのエッチな身体になれたら嬉しいんだけど。  ベッドに転がって、シャツをめくりあげる。指の上に媚薬をだしてみると…… 「あ、これは……」  メントールの匂いがいた。とんだ怪しい成分でもはいっているのかと思ったけれど、どうやらメントールのすーすーとした感覚を使った媚薬らしい。触感はぬるぬるとしていて気持ち良さそう。 「……んぁ……」  両方の乳首に、塗ってみる。さっきのAVの乳首責めのシーンをみているときからむずむずしていたから、すでにぴんっと勃っていた。こりこりと弾力のある乳首に、くりくりと媚薬を塗り込んでゆく。 「ん……」  すぐに、メントールの効果が現れ出した。乳首がじんじんとしだして、むず痒くなってくる。細かな刺激を断続的に与えられる状態になっているからだろうか、乳首はぷっくり綺麗にピンク色に膨れた。自分でみても、いやらしい乳首だなって思う。両方の乳首に指を添えて、きゅうっとつまみあげてみると、 「あぁんっ……」  触ってもいないお尻の奥がきゅううんっと締まって、思わず仰け反りながら声をあげてしまった。  ……しまった、声がでちゃった。 「んっ……んー……ッ」  智駿さんは声を堪えているのがたぶん好きなんだ。だから、声をださない練習のためにこうしているのに、出しちゃったら意味がない。ぎゅっと口を結んで、ぐーっと乳首をつまみあげる。智駿さんのいじわるに耐えられるように、いつもの乳首オナニーよりも、強く。ぷっくりふくらんだ乳首が上に引っ張られてのびて、その状態で指の腹をこすり合わせてこりこりとする。 「……ッ、んっ……! んっ! んっ!」  アソコがきゅんきゅん激しく疼いて、脚が勝手にもじもじと動く。内股になって太ももをこすり合わせながら腰を浮き上がらせて、俺の身体は仰け反っていった。そしえ、乳首を刺激するたびに、ビクンッ、ビクンッ、って大袈裟に跳ねてしまう。 「あっ……、んんっ……んーっ……! んーっ……」  まだまだ自分をいじめなくちゃ。いじめて、いじめて、そして声を我慢できるようにならなくちゃ。それからもっと敏感でいやらしい乳首にもならないと。  とにかく激しく乳首を責めまくった。オナニーなのに涙目になってきて、アソコもものすごく濡れている。智駿さんのための乳首開発オナニー、ものすごく気持ち良かった。

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