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Baba savarin〜甘い酔いと〜
「こう、もっとガツガツきてほしくない!?」
いつメンの四人で飲んでいるとき、勢い良くそう言ったのが瑠璃だ。彼氏の話(ほぼ愚痴)を聞かされていた俺と彰人は、その勢いにたじろいでしまう。
「草食系? いや、ヤリチンじゃないのはいいけど、彼女にはもっとヤル気出して欲しいっていうか」
「瑠璃……だいぶ飲んだね?」
「真面目な話だから! あんまり手を出してこないとほんとに私のこと好きなのかな~って不安になるんだよね!」
瑠璃はお酒で顔を真っ赤にして文句をひたすらに言っている。どうせこういうこと言ってもラブラブは継続するんだから、と俺達は流し気味に聞いていたけれど、瑠璃の言ったことに俺は全く共感しなかったわけではない。
――俺も、智駿さんにもっとガツガツ求められたい。
智駿さんは結構俺にエッチなことはしてくるけれど、あんまりがっついてはこない。俺の感じている顔が好きらしいから、ひたすらに俺の身体をいじって、それでほとんど満足していると思う。俺は気持ちいいし、智駿さんとエッチなことができているから幸せだけれど……この前の旅行の時に感じたのだ。智駿さんに欲望むき出しで抱かれると、俺はものすごく嬉しく感じるんだって。もっと自分が気持ちいいって思えるようなセックスを智駿さんにしてほしいって。
「あー、でもわかる! 彼氏が自分に必死になってると、こいつを自分のものにできたなってすっごい満足する。草食系はダメだよやっぱ」
(ああ、そうそう、彩優、それそれ)
瑠璃の言葉に頷いている彩優の言葉に、俺は心の中で同意の言葉を浮かべていた。
そう、あのとき感じた――捕らえているという感覚。あれがたまらなく、イイのだ。俺も男だし支配欲とか独占欲とかあるわけで。エッチのときは組み伏せられる側だし身体は支配されているわけだけれど、心は俺も智駿さんを支配したい。
「誘惑とかしてみたら~?」
「……誘惑?」
「なんで梓乃が反応するの! 瑠璃が誘惑しているところ考えてエロい気分になったでしょ」
「いや全く全然」
「チンコもげろ」
……誘惑。誘惑かあ、なんて彩優たちが騒いでいるなか、俺は悶々と考えていた。その横で、彰人がじーっと俺を見ているけれど……たぶん、全部考えていることがバレている。こいつ怖いな、なんて思って俺は苦笑いをした。
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