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「ん……」
瞼の裏が明るくなって、俺は目を覚ます。瞼を開ければ俺は裸で智駿さんに抱きしめられていた。どろどろだった身体は綺麗になっていて、久々に意識をとばしちゃったんだな、と俺は残念な気持ちになる。
「……ん、あ……梓乃くん。起きた?」
「智駿さん……」
俺が身じろいだからか智駿さんも目を覚ましてしまった。智駿さんはゆっくりと俺と目を合わせて、頬を撫でてくる。
「……ごめんね、やりすぎちゃった」
ドキッと胸が高鳴った。昨夜の激しすぎるセックスを思い出して。昨日のセックス、すごかったな……って頭の中がぽーっとしてくる。
「あのくらいめちゃくちゃにされるの、気持ちいいので……謝らないでください」
「……でも、ごめんね。昨日の梓乃くんがすごくエッチで歯止めがきかなくなっちゃって」
「……智駿さんが止まらなくなっちゃうくらい俺に興奮してくれたの、嬉しいです」
俺の言葉に、智駿さんは困ったように笑っていた。ほんとうに俺はあのくらい激しくしてくれてもいいのに、智駿さんはどうしても俺のことを甘やかしたいみたいだ。ごめんね、っていうようにちゅっ、ちゅっ、て柔らかいキスを何度もしてくる。
「……ああいうのは、ときどきね。梓乃くんの身体が壊れちゃう」
「壊しちゃっていいんですよ……智駿さんにならなにをされても嬉しいから」
「……もう、」
よしよしと頭を撫でながらちゅーって唇を押し付けるようなキスをしてきた智駿さんは、たぶんわかっていない。これはしばらく、智駿さんの誘惑を頑張っていかないとなって思った。
Baba savarin〜甘い酔いと〜 fin
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