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服を脱いで、ベッドの上に座る。智駿さんは裸の俺と道具を交互に見つめながら、にこっと笑った。
「いざやるとなると結構ドキドキするね」
「は、はい……」
「浴衣の帯で縛ったことはあるけれど……こういう道具を使うとなんか、すごいことするって感じ」
智駿さんが首輪を手に取った。そして、ゆっくりと俺の首につけていく。鎖の音がシャラシャラとなって、緊張してきてしまった。
「はい、梓乃くん。首輪つけたよ。可愛い」
智駿さんがそっと俺にキスをして、離れていく。俺の首には、たしかに首輪が装着されていた。冷たくて重い鎖がぶらんとぶら下がる、首輪が。
ああ、とうとうつけちゃった。こんなものをつけておかしくないかなって……今更のように思う。首輪なんて、男がつけても絶対に可愛くないし、やっぱり変じゃないかなって、なぜか不安になってきた。智駿さんもきっと、俺に合わせて無理してやってくれているだろうし……
「んー、梓乃くん」
「はい、」
「首輪、悪くないね。梓乃くんが僕のものになったって視覚的にわかる」
「へっ……」
突然襲ってきた不安にもやもやとしていると、智駿さんが首輪についている鎖を手にとった。そして……軽く、それをひっぱる。
「あっ……」
そうだ、この首輪で……俺は智駿さんのモノってことが形になったんだ。智駿さんの言葉でそれを自覚した瞬間、ゾクゾクッ、と全身に痺れにも似た快楽が湧き上がる。俺は智駿さんのモノ、智駿さんのモノ……その事実がぐるぐると頭のなかで回って、それがまるで媚薬のように身体を雌にしていく。ぶるぶると身体は震え出して、乳首かツンッと勃ち上がって、チンコも堅くなって。
「……梓乃くん、何もしてないのにもうこんなに……?」
「ごめんなさ……俺、変……これで俺は智駿さんのものだって思ったら、身体が……」
「へえ……」
びく、びく、と身体が震えてチンコからたらーっとエッチな汁が垂れてくる。触られてもいないのに、ただ首輪をつけられただけなのに……俺、どれだけドエムなんだろう。
「すごいね、梓乃くん。今の梓乃くんの身体は僕の支配下にあるってことかな。梓乃くんは僕のものだもんね」
「あっ……はい……おれ、智駿さんのもの……」
「じゃあー……ちょっと命令してもいい?」
ぱし、と智駿さんが鎖をしならせる。それだけで俺のアソコはきゅんっとヒクついた。たらたらとこぼれたエッチな汁が、アソコまで垂れてくる。その感覚でまた感じてしまって、脚をもじもじとさせていると、智駿さんがにっこりと笑った。
「どこも触らないで、イッてみて」
「……ッ、」
智駿さんの命令。そんなの、絶対に無理って、そう思う。でも……今の俺の体は、智駿さんの命令をなんでも聞くイヌだから、たぶん、できてしまう。
「イッたのが僕にわかるように、お尻の穴を見せていてね」
「……、はいっ……」
かぱ、と脚を開いてぬれぬれのソコを智駿さんに見せる。これから智駿さんに見られる。言葉だけでイっちゃうところを……見られてしまう。
ゾクゾクッ、と全身が震えた。命令されただけで、イっちゃう。智駿さんの言葉なら……なんでも言うことを聞いちゃう。こんなに、俺の身体は……智駿さんに調教され尽くしてしまっているんだ。
「あっ……は、……ちはや、さん……っ」
ヒクン、ヒクヒクッ、ってお尻の穴が激しく疼く。見られている。触ってもいないのにイっちゃういやらしい俺の姿を、智駿さんに見られている……。
「あっ……あぁ……」
「梓乃くん、ほら」
ぱしん、ぱしん。智駿さんが鎖をしならせて鳴らす。従え、そう言われているみたいで、身体の奥の方から悦びが湧き上がってくるようだった。じゅわっと熱が内側から吹き出てきて、ぎゅーっとアソコが締まっていく。
「あっ……イっちゃう、イっちゃう……!」
「イッて、梓乃くん」
「いくっ……だめっ、イクッ……!」
ビクビクッて俺のアソコが震えて、俺はイッてしまった。命令されただけでイってしまって……そんな、完全に支配されたエッチな身体を智駿さんに見られていると、ドキドキとしてくる。
もっと……もっと、調教されたい。智駿さんに、エッチな身体に開発されたい。
はー、はー、って息をしながら、俺は次の智駿さんの命令を待った。命令だけでイッた俺を、智駿さんは驚きもしないで見つめている。俺が命令だけでイケることなんて驚くことでもないとでもいった風に。
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