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「もっと締め付けてもいいんだよ」 「……あぅっ……言われなくても……、……んっ、……」  まだ智駿さんには余裕がありそうだ。全然締め付けが足りていない。俺はぐっと腰をひいてさらに前立腺を刺激してみたけれど、俺が耐えられるくらいの気持ち良さだと智駿も余裕なんだと思う。俺は自分が耐えられるのか不安になりながらも、なかで智駿さんのものが擦れるようにして腰を振り始めた。 「んぁっ、あっ、あっ、」 「ふふ、きつくなってきたね」 「ひぁっ、あっ、ひっ、」  ぱちゅんぱちゅんと音がなる。なかで智駿さんのものにごりごりされて、俺は気持ちよくて蕩けてしまいそうになった。アソコが熱くてふわふわしてきて、イキそうな感覚が迫ってくる。でも、俺は頑張って腰を振る。ナカイキなら何回でもイけるし、たくさんイってなかを締め付けて、智駿さんを責めなくちゃいけないんだ。 「あっ、あっ、あっ、」 「ん、梓乃くん、イクんじゃない?」 「あっ、んっ、イクっ、イクッ、」  ビクビク、ビクビク、となかが痙攣する。下半身がぎゅっと硬直して動けなくなって、俺はぎゅっと目を瞑りながら唇を噛んだ。またこれから動かなくちゃいけないから、この絶頂にも耐えないといけないから。  でも俺の身体はそんなに我慢強くない。一回イクと腰が砕けてしまって、全身から力が抜けてしまう。 「あれ、梓乃くん……終わり?」 「うっ……ま、まだ……」  体勢が崩れ落ちそうになっている俺を見上げて、智駿さんは楽しそうにしている。いつも俺をイかせてまくってるから、俺が一回イったくらいなら智駿さんは全然耐えられる。  俺はふらふらになりながら身体を起こして、もう一度智駿さんを見下ろしてやる。 「あっ……ふ、ぁあ……っ、」  ガクガクの腰をもう一度揺らして、また自分を追い詰めた。一回イってイキやすくなっている身体はものすごく感じやすい。軽く揺らしただけでもすぐにまたイってしまいそうになるくらい、感じてしまう。 「あっ……う、ぁ……」  ビクビク、ビクビク、アソコが痙攣してまともに動けない。小さな絶頂がやってきては落ち着いて、そしてまた……という繰り返し。これ以上激しく動くと本当に腰が砕けてしまいそうで、ゆるゆるとしか腰を揺らせない。 「あっ……あっ……」 「んー、梓乃くん、」 「あっ……! んっ、ひぁっ……!?」  そうしても俺がだもだとしていたからだろうか。智駿さんがグンッ、と俺を突き上げてきた。  俺の身体はガクンと崩れ落ちて、ぱたんと智駿さんの上に倒れてしまう。智駿さんはもう俺の身体が限界だと判断したみたいだ。ズンッ、ズンッ、とゆっくりとしたペースで思い切り突いてくる。 「あぁっ! んぁっ!」 「もう、梓乃くんは責められなさそうだね」 「そん、っ、な、ことっ、……やぁっ!」 「そうかなあ」 「あっあっあっあっ」  俺が自分の身体の限界を否定すれば、智駿さんが突き上げてくるペースを早めてきた。ズボズボと抜き差しをされて、奥をガンガン突かれて、俺のほんの少し生き残った負けん気も削がれてゆく。 「あっ、ひっ、あっ、あぁっ、」 「もっと深くイきたいでしょ? イかせてって頼んだら、やってあげるよ」 「やっ、あっ……!」  もう俺は潮吹きをしてしまっていて、智駿さんのお腹の上にだらだらと潮を出してしまっていた。智駿さんに突かれるたびに俺の体は揺れて、その潮がぱしゃぱしゃと音を立てる。  頭がぼんやりとしてきて、俺は意識朦朧としながら智駿さんに責められていた。またペースを落としてきた智駿さんは、ずぷっ、ずぷっ、と深く俺を突きながら問いかけてくる。 「ほら、梓乃くん」 「あっ……あっ……」  一回突かれる度に、イッてしまう。智駿さんの上でビクン、ビクン、と体を震わせながら、俺は智駿さんをゆっくりと見上げた。  こんな、焦らすようなピストンじゃなくて……いつもみたいにガンガンやって欲しい。でも俺がいくら我慢したところで今日の智駿さんはやってくれない。言わなくちゃいけないんだ。負けを認めて、智駿さんに懇願しないと、たくさんイかせてもらえない……。 「ち、はやさ……いか、せて……いかせて、ください……」  ああ……言ってしまった。意地をはっていた身体が脱力してゆく。もう強気な態度でなんていられない。俺は……智駿さんにいっぱいイかせてもらいたい。 「いい子。じゃあ……たくさんイかせてあげるね」 「あっ……」  智駿さんは楽しそうに笑うと、俺をころんとシーツに転がした。そして覆いかぶさってくる。 ……やっぱり、俺は智駿さんに組み敷かれることに歓びを覚えてしまうらしい。こうして見下ろされた瞬間、俺のアソコがきゅんっと疼いた。 「ん、ゃ……」  智駿さんは俺の脚を掴んで、ぐっと俺の上半身に向かって倒してくる。アソコ丸出しみたいなポーズをさせられてなかなかに屈辱的だけど、こういうのに悦びを覚えるのが、俺だ。恥ずかしい格好をさせられて俺は、ドキドキと期待に胸が高鳴り始めている。 「さっきよりも肌が紅くて顔もとろんとしてるね。梓乃くんはやっぱりこうされるのが好きなんじゃない?」 「はい……めちゃくちゃにされるの、すき……」 「じゃあいじめられるのが好きな梓乃くんのために思いっきり突いてあげるね」  智駿さんも智駿さんで、だいぶ焦らされていたんだと思う。いつもよりもその目は攻撃的で、俺の心をゾクゾクさせてくれる。  智駿さんはふっと微笑むと、俺のアソコにピタッとおおきなものをあててくる。二回目の挿入になるけれど、ものすごく興奮している。やっぱり俺は、「される」のが好きなんだ。 「あっ……」  じわ、と智駿さんのものがはいってくる感覚。自分で挿れていくのとは違う、この待っている感じ。相手に主導権があるということが、こんなにイイなんて。 「あぁーっ……」 「あ、梓乃くん。もうイッんだ」  奥まではいってきた瞬間にぶるぶるっとなかが震えて、イッてしまう。負かされたことに興奮しているのもあるのかもしれない。どんなに俺が上でいたいと心で思っても、身体は支配されたがっている。身体の快楽に心がへし折られた、その快感は思った以上にすごい。  俺を見下ろす智駿さんをライトが照らしている。逆光で影のかかった智駿さんの顔にゾクゾクとして、もうどうにでもしてって気分になる。 「あっ……あっ……」  ぐっと身体を半分に折りたたまれて、その上に智駿さんが覆いかぶさってきた。ぐりぐりっと奥に智駿さんのものがあたって俺の身体は震えたけれど、こんな体勢だから身じろぐこともできない。 「ほら、梓乃くん。ねだってごらん」 「あ、……ふ、あ……いじめ、てぇ……」 「うんうん」 「いっぱいずぼずぼして……ぐちゃぐちゃにおかして……」 「ふふ、りょうかい」  ぽっきりと気持ちを折られた俺は、いつもよりも卑猥な言葉で智駿さんにねだった。こんなにエッチなことを言わされていることに悦びを覚えた。  智駿さんはそんな俺の言葉をきくと、にっと意地悪そうに笑って目を細める。堕ちた俺をみて満足したように。その表情がまた最高に良くて、きゅんと胸が締め付けられる。この人に支配されることに、幸せを覚える。 「ふっ、……あぁっ……!」  智駿が全身の体重をのせるようなピストンをしてきた。ひと突きひと突きが重くて、その度に身体が揺さぶられる。 「あっ、あぁっ……ちはやさんっ……もっとぉ……」 「いいよ、梓乃くん」 「ふぁっ……あっ……きもちいっ……きもちいい……ちはやさん……」  いっぱい奥を思いっきり突かれて、俺のチンコからは潮がぷしゅぷしゅと飛んでいた。俺の身体も顔も、その自分のだした潮でびしょ濡れになって、全身がどろどろになっていく。  たくさんたくさん突いてもらって、俺は何度も何度もイッた。そしてイクたびに、抱かれるってすごく幸せだなって思った。智駿さんのされるがままになるのって……智駿さんに愛されていないとできないことだから。こうして激しくされるのは、俺が智駿さんに愛されていて、智駿さんにとって抱きたい相手だから。 「ちはやさん……もっと、もっと……」 「まだイキ足りない?」 「もっとしてください……あっ……あーっ……」  愛されて愛されて、俺は智駿さんが満足するまでたくさん突かれた。そうされながら俺は、智駿さんは俺のことしか見ていないんだって思い知って、ほんのちょっとヤキモキしていた自分がばからしいな、なんて思っていた。

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