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「こんなの普通のホテルにあるんですね!」
窓際でのエッチを楽しんだあと、二人でお風呂に入った。入ってびっくり、このホテルのお風呂は泡風呂ができるみたいだ。単純に楽しそうだなんて思った俺は、見るなりテンションがあがってしまう。
大きなお風呂で、二人でもゆったり入れるサイズだったけれど、俺たちはいつもと同じように入った。俺が智駿さんの上に俺が乗って抱っこされるような体勢だ。
「あー、すごい、気持ちいー……」
エッチのあとの程よい気だるさのなか、お風呂でまったりしてるとすごく気分がいい。俺はぽやんとしながら、智駿さんにくったりと寄りかかる。
「あのねー、梓乃くん」
「はいー」
「僕はね、小さな町のケーキ屋さんだったおじいさんに憧れてパティシエになったんだ」
智駿さんがお湯の中で、俺の指をいじっている。そうしながら智駿さんがぽつりと言った。俺に語るような、でも独り言のような、なんとも言えない声色。
「時代も変わっているしね、おじいさんと全く同じになんてなれないんだけど……自分なりに頑張って、迷って……そうやっていると、そのパティシエを目指していたころの想いを忘れそうになるんだよね」
「……」
「いいんだ、新しい目標が見つかってそれを目指して自分が高みを目指していくことは。でも、はじめの想いを忘れたら、僕の中の大切なものが崩れちゃいそう」
ちゃぷ、と水面が揺れる。智駿さんが俺の肩口に顔を埋めると、濡れた髪が首筋をくすぐった。俺はゆるりと手で智駿さんの頭に触れて、撫でる。そうすると智駿さんはへへ、と笑って呟いた。
「だからね、ありがと、梓乃くん。梓乃くんと一緒にいると、僕が僕でいられる気がする」
……それは、俺も同じかも。
俺は向き直って、智駿さんを正面から抱きしめる。もう智駿さんは俺の一部みたいなもので、智駿さんと一緒にいるから俺でいられる、そう思う。
「ん……」
智駿さんが俺を見上げて微笑んで……唇を重ねてきた。俺の背中を、腰を撫でて優しく口付けてくる。
「んっ……ちはやさん……ん、」
「梓乃くん……」
ちゅ、ちゅ、というリップ音、それから吐息をこぼす音が浴室のなかに響く。智駿さんが好きって気持ちが溢れてきて、俺の身体がふるふると震えだした。ちゃぷ、とお湯の弾く音が耳を掠める。
「ちはやさん……あ、……」
「ん、梓乃くん……したいの?」
「……つながりたいです」
さっきエッチをしたばっかりだけど。智駿さんへの想いが溢れてきて、また俺は智駿さんを感じたくなった。エッチがしたいというよりは、智駿さんとひとつになりたい。智駿さんの熱いものを奥の方で感じたい……そんな感じ。
俺は自分でお尻の穴を智駿さんのものにぴたりとあてる。やっぱりまだ勃っていなかったから、お尻の肉で挟んで腰を揺らして、刺激した。穴が擦れてすごく気持ちよくて、奥の方がひくひくしてくる。
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