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「ちはやさん……挿れてほしいです、ちはやさん……」
「ん、僕も……挿れたくなってきちゃった」
「えへへ……かたくなってきましたね……んんっ……あんっ……」
お尻で刺激していけば、智駿さんのものも熱くなってきた。智駿さんも俺と同じ気持ちだって思うと嬉しくなって、自然と頬がほころんでいく。そんな、幸せな気持ちのまま腰を下ろしていけば、ぐぐっとなかを押し広げられる感覚と共に智駿さんの熱を感じた。ぞくぞくとして、気持よくて……俺は頬を緩ませながらそれを奥までいざなう。
「あぁっ……」
「さっきしたばっかりだから、柔らかいね、梓乃くん」
「はい……気持ちいいですか?」
「うん……吸い付いてくる」
「ふふ、良かった……」
ずっぷりと奥まではいって、俺はそのまま智駿さんに抱きついた。そして、またキスをする。
身体は動かさないで、ひとつになった感覚だけを感じながら、何度も何度もキス。エッチな俺の身体はひとつになっているという事実だけで、キスをしただけでアソコがキュンキュンしちゃうけれど、それでも身体は揺らさなかった。じわじわと下から這い上がってくるこの多幸感に酔いしれたかった。
「智駿さん……ずっと、一緒にいたい、な……」
「なにいってるの、あたりまえでしょ」
「うん……」
アソコに感じる熱が、ひとつになっているという証拠。俺と智駿さんがひとつになっているって実感させてくれるもの。だから、挿れられるのが大好き。
ぴちゃ、ぴちゃ、と舌を絡める音が響く。今ではこうしてエッチなことをしてキスをするのが日常になっているけれど……思えば俺と智駿さんが出会ったのは偶然で、恋人になれたのも奇跡みたいなものだと思う。ポップスによくある「60億分の1の確率で出逢った」なんて、考えてみればすごいことなんだ。たとえば俺が智駿さんに出逢わなかった平行世界があったとして、俺は普通に楽しく生きているだろうけれど……それでもそっちの世界のことを考えるとぞっとする。俺は智駿さんに出逢えたこっちの世界線に居ることができて、本当に幸せだと思う。
「ずっと一緒?」
「うん、寿命で死んじゃうときまで」
「そのときは、ブランシュネージュはどうなっていますか?」
「うーん、それこそ僕のおじいさんのお店みたいになっているかも」
「それは、楽しみですね」
おじいさんになるまで一緒かあ……。ふと考えてみて、すごく幸せな未来だと思う。それと同時に……
「ふ、……うう……」
「えっ、なんで泣いちゃうの!?」
「智駿さんが、死んじゃうときのこと考えて……うー……」
「あと何年先の話? もう、梓乃くん」
寿命で死んじゃう智駿さんのことを考えてたまらなく寂しくなった。俺のおじいさんが亡くなったときと重ねてしまったというのもある。人が、あっけなく、こんなにあっけなく亡くなってしまうんだ……あの虚しさを、智駿さんとの幸せな未来に重ねたら。
でも、それまでずっと一緒にいられたら、本当に幸せだろうなって思った。天国に行くときも、智駿さんとの思い出を抱いていけるんだ……そう思うと胸がいっぱいになる。
「智駿さん……元気なうちにいっぱいえっちしましょうね」
「あはは、そうだね」
腰を浮かせて、落とす。ぱしゃんと水面が揺れる。俺はゆっくりと体を上下させて、いいところを智駿さんのものにこすりつけた。智駿さんは俺のものを握って、ゆるゆるとしごいて刺激してくれる。
キスをしながら、そうやってゆったりと求め合った。大きくてきらびやかな浴室でそうしていると、穏やかな気持ちになる。俺たちの声と、ちゃぷちゃぷとお湯の揺れる音が、響いていた。
「んっ……ん、ん……」
ああ、もう、智駿さんとのセックスってなんでこんなに幸せな気持ちになるんだろう。ゆるりとまぶたを開ければ熱の溶けた瞳とぱちりと視線がぶつかって……俺は恍惚と心を蕩けさせて……イってしまった。
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