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opera~黄金のステージで~

 何気なく、小学校の卒業アルバムを見ていた。  ただ、本当に何気なく。片付けをしていたから、見つけたので。ただそれをみて、俺は妙な気持ちになったのだった。 『将来の夢は、プロのバスケ選手』  昔の俺は、そんな夢を抱いていたのだと、発見してしまった。  まあ、それは無理だろうと。大人に近づくに連れて気づいていた。そもそも才能がないし、身長も足りないし。大学生になった今なんてどうだろう、バスケに触れる機会なんて体育の時間と時々どこかのサークルに混じってやるくらい。完全に夢を投げ出している。  じゃあ、今の俺の夢は? そう自問自答して迷ってしまう自分が嫌だった。20歳にもなって「夢」なんて抱いていられない。もう遅い。そんなことばかりを考える。強いて言えば何か資格をとってちょっと給料のいい職につくこと――そうした、妙に現実的な夢。今から目指せる現実的な夢であっても彰人のように「テレビ局に務める」といったしっかりとした夢を俺は抱いていない。  俺の夢は? 俺の欲しい未来は?  自分自身がわからないことを、ほんの少し、自嘲した。

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