267 / 329
22(5)
もっと、チンコをしゃぶっていたいけど。でも、智駿さんに可愛がられたいという欲求の方が一瞬で勝ってしまって。俺は立ち上がって、智駿さんに抱きついた。智駿さんは座ったまま俺を抱き止めて、「よしよし」と言いながら俺の背中を撫でてくれる。
「あっ……!」
智駿さんが俺のお尻に手を這わせてきて……そして、つぷん、と指をなかに挿れてきた。ずっと入り口をくちゅくちゅとこすり続けて、なかがむずむずと疼いていたソコ。なかに挿れられるときゅーっ、と一気にしまって悦んだ。俺は下半身に力が入らなくなって、くたっと智駿さんにもたれかかりながら……されるがままに、声を出すしかない。
「ぁっ、あっ、んっ、ぁひっ、ん、っ、く、」
「いつもより感じやすいね。まだ一本なのに」
「ふ、ぁあっ、だっ、て……ちはや、さ……と、ひさびさ、……」
「そうだね。久々だから……僕もあんまり余裕ないんだ」
「あっ! あぁああっ……!」
智駿さん、いつもは焦らしに焦らしてくるのに……今日は一気に激しくしてきた。ぬぽぬぽと指を抜き差ししたり、なかで指をバイブさせて前立腺を責めまくってきたり、とにかく激しい。お尻の穴にそんなに激しいことされたら壊れちゃうって、そう思うくらい。でもそのくらいにめちゃくちゃにされるのが、すごく興奮した。音もクチュクチュと激しくて、智駿さんにぐちゃぐちゃにされている感がたまらなかった。
俺はすっかり堅くなった自分のチンコを、智駿さんのチンコにこすりつけるようにして腰を揺らす。そうすれば智駿さんもちょっと善くなってきたようで、息遣いが変わってきた。僅か、荒くなって、智駿さんの吐息が俺の耳にかかる。智駿さんの吐息に耳を犯されて、俺はもうおかしくなってしまいそうだった。
「あっ、あぁっ、ちはやさっ、はぁっ、んっ」
「梓乃くんの動き、やらし、」
「だって、あっ、んあぁっ、ちはやさんっ、きもちよくなって、ほし、いっ……あぁっ……!」
「うん……気持ちいいよ、梓乃くん。梓乃くんももっと気持ちよくなろう……?」
ずりゅん、と智駿さんの指が俺のお尻から引き抜かれる。ぽかりと穴が空いて寂しくなったソコに、すぐさま智駿さんの熱いものがあてられた。早く挿れてほしくてたまらなくて、俺も腰を動かして智駿さんのものをなかへいざなう。最後まではいると熱くて重い痺れがずんっ、と脳天を突き抜けて、俺は体を硬直させながら声にならない声をあげた。
智駿さんのものがなかにはいってきた瞬間に、俺はイッちゃったみたいだ。だって、仕方ない。もうどのくらい智駿さんとひとつになれていなかったんだろうって考えると、俺の体は智駿さんのものが欲しくて欲しくてたまらなかった、それが当然のことなのだ。滔々と噴水のように溢れ出る幸福感とか酩酊感が体も頭もなにもかもを痺れさせて、俺は魂が飛ぶような気持ちよさに耽ってしまう。智駿さんにぎゅーっと抱きつきながら、はーはーと息をして強すぎるその快楽を少しずつ逃していくことしかできなかった。
「……梓乃くん、いい匂い」
「そう、ですか……?」
「……うん。僕ね、梓乃くんの匂い好きなんだ……体が……梓乃くんのこと、覚えているみたい」
「ふふ、……それ、嬉しいです……智駿さん……」
俺は動いてもいないのに汗だくになって、熱くてぼんやりとしてしまう頭で……智駿さんにキスをした。まだ呼吸も落ち着かなかったけれど、とにかく密着したかった。
「ん……ふ、……んん、……」
繋がったところが、ビクンビクンと鼓動している。そのたびにナカはきゅんっ、きゅんっ、と疼いていて、今すぐにでもガンガン突いてもらいたかった。すでに最奥まで入り込んだ智駿さんのものは俺の自分の体重でぐりぐりと俺の奥を刺激しているけれど……今は、そこまで。奥をぐんぐんやられている快楽を感じながら、俺達は……甘ったるいキスを、楽しんだ。
「はぁ、……ん、……ん……」
「んーー……」
深い、キス。舌を絡め合ってお互いの舌を味わうようにじっくりとキスをしていると、頭が真っ白になる。もう智駿さんのことしか考えられない。ばかになってしまいそうで怖いくらい。でも、このまま何もかもがわからなくなって智駿さんのことだけを感じられなくなってしまってもいい……そう考えてしまうくらいに、気持ちいい。
智駿さんが俺のお尻を掴んで、軽く、揺すってくる。ぐちゅり、と結合部が音をたてて俺の体がゆるく前後した。その瞬間、なかにはいった智駿さんのものがぐんっ、と俺の前立腺を刺激してきて……俺のなかが一気にきゅんっと締まってしまう。俺のアソコはすっかり智駿さんのものの形になってしまっているから、ちょっと動かされただけで気持ちいいところをぴったりと責めてしまうらしい。
「あっ、……はぅっ……」
「あっ、まって梓乃くん……唇、はなさないで……」
「ちはやさっ……ん、……」
俺のチンコがぴくぴく震えて、さきっぽからとろとろと液体が溢れ出ている。それでも智駿さんは俺の前立腺を刺激してきて……俺はイキそうになるのを堪えて、ぎゅっと智駿さんの腕を掴んだ。キスしながらイッたら本当におかしくなってしまいそうで、ふーふーと息をしながら必死に堪えた。
「んっ、ふ、……ぅんっ、んっ!」
俺がイクのを耐えているのに気付いているんだろう。智駿さんはじわじわと俺の気持ちいいところを責めてくる。ぐんっ、ぐんっ、と俺の体を揺すり、俺の声がどんどん高くなっていけば更に激しくしていって。キスも絶対に逃がさないと言わんばかりに、片方の手で俺の後頭部を掴みながらめちゃくちゃにしてくる。
キスされながら、いじめられる。甘くて意地悪な、智駿さんの責め方は本当に善くて……俺、大好きだ。俺は智駿さんに唇を塞がれて、息もろくにできない状態で、涙をぽろぽろと流しながらーーイカされた。俺は智駿さんに腕と脚でぎゅーっとしがみつくようにして、「んー……!」なんて声をあげちゃって、イッてしまった。
「……梓乃くん、可愛い」
俺がイってぐったりとすると、智駿さんが甘ったるい視線で俺を見つめ微笑んで、俺をベッドの上に横にさせてくれた。はー、はー、って息を吐くことしかできない俺に腕枕をしながら、頭を撫でてくれる。
ゆっくり、視線を智駿さんにむければ――あまりにも優しい智駿さんの顔がそこにあった。俺の頬を撫でて、親指で唇を撫でて――顔を近づけて、腰に響くような……ないはずの子宮が震えるような声で、囁く。
「こうして梓乃くんが僕の前でイってくれると、梓乃くんが僕のものって感じがして嬉しい。僕は、キスマークをつけるよりも……強い痕を残せているね」
「……はい」
唇を重ねて、抱きしめあった。もうずっと前から、俺の心は智駿さんに痕をつけられている。一生消えない、キスマークのようでキスマークよりも濃い、強い痕が。
ともだちにシェアしよう!