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 ゆっくりとお風呂に浸かっていたのか、智駿さんは30分以上戻ってこなかった。ようやく戻ってきたと思えば、気を抜けば眠ってしまいそうなくらいにぼんやりとした顔をしていた。カモミールティーでも出してあげようと準備はしていたけれど、それを飲むことすらも今の智駿さんにはしんどそうだったので、俺は苦笑いしながら智駿さんをロフトまで連れて行ってやる。 「足を外さないでくださいね」 「うん……」  睡魔に襲われている、というわけではなさそうだから、ロフトにはちゃんと昇ることができた。俺は智駿さんが昇り切ったのを確認して、後に続いて上に昇る。 「あれ、梓乃くんも寝るの?」 「抱き枕必要でしょ?」 「……うん。」  まだ、時刻は十時過ぎ。俺が寝るには少し早い時間だから、智駿さんは気にしたようだ。けれど、俺の言葉を聞くと嬉しそうに笑って、俺を抱きこむようにしてばふんと布団に横になる。 「布団ちゃんとかぶって……電気消しますよ? 明日は仕事休みなんですよね? アラームは大丈夫ですか?」 「だいじょうぶ~」 「はい、じゃあおやすみなさい」  布団を俺たちの体にかけて、リモコンで部屋の電気を消す。ぱっと部屋が暗くなれば、……なんとなく、俺も眠くなってきたような、そんな気がした。  明日は俺が朝早い。……早いといっても二限からだけど。早めに寝ることも悪くないだろう、そう思って俺は惜しげもなく瞼を閉じた。 「……む?」  瞼を閉じれば、生ぬるい闇が堕ちてきて、夢の世界へ飛びそうになる。しかし、そのとき――ずん、と全身に圧がかかって、睡眠は妨げられた。 「ち、ちはやさん?」  ……智駿さんが俺にのしかかっている。  智駿さんに向かい合うように横向きに寝ていたはずが、うつぶせにされていて、その上にどっかりと智駿さんが乗っかっている。……寝ぼけている? いやいやいや。こんな器用な寝ぼけ方が―― 「んっ!?」  する、と服の中に手がはいってきて――俺はぎょっとして声をあげてしまった。 「えっ、す、するんですか!?」 「うーん……」 「あっ……、わっ、」  すっかり寝るつもりでいた俺は、突然のことに頭も体もついていけずおろおろとしてしまった。智駿さんはどっちつかずな返事だけをして、ごそごそと俺の体をいじりだす。Tシャツをぐいっとたくし上げられて、そのまま乳首をぐりぐりといじられる。俺は智駿さんにのしかかられているから身動きもとることができず、枕をぎゅっと握って声を堪えるばかり。 「疲れちゃって……梓乃くんの体を触ってると癒されるから……」 「んっ、……い、癒される、って……あっ、」  ふ、と耳に息を吹きかけられて、そのまま舐められた。くちゅ、くちゅ、という水音と、智駿さんの吐息。それが脳に直撃して、ゾクゾクする。  そういえば……俺、このベッドで智駿さんの声を聞きながらオナニーしてたんだ。ここで智駿さんとエッチなことするの、ちょっと恥ずかしい。でも……今度は生声を聞ける……そう思うと、じんわりと体が熱くなってくる。 「ひぁっ……ちはやさん、」  ごり、とお尻にあたったものに、俺はびっくりした。もう堅くなってるの!?やら、こんなにのぺーっとしてるのに実は興奮してるの!?やら、そんな気持ちで。でもこれは所謂、疲れマラってやつだ。今の智駿さんの意思には反してるやつではないだろうか。だって智駿さん、相変わらず眠そうな声で俺の名前を呼んでるし。 「梓乃くん……」 「んっ、……ぁ、あ、」  ズボン越しにお尻の穴にそれを押し付けられて、たまらず下腹部がきゅんっと疼いてしまう。けれど、智駿さんは俺とセックスをしたいというよりはただ俺の体を触りたいだけという感じだから、そんなに期待してはいけない。今は智駿さんが満足するまで体を触らせてあげよう……そう思うけど、どんどん感じてきてしまって、智駿さんが欲しくなってきてしまう。  ほとんど身動きをとれない状態で、ひたすらに、乳首をいじられた。みみたぶをしゃぶられながら、お尻にぐりぐりと熱いものを押し付けられながら。イケそうでイケない、そんなじりじりとした刺激をしつこく与えられ続けて……俺の体はすっかり火照りを帯びている。

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