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 俺の前に座る白柳さんは、不機嫌そうにしかめ面をしていた。半年くらいぶりになる再会だというのに、その顔はないだろうと突っ込みたいが、白柳さんが眉間にシワを寄せているのはいつものことだ。……とはいっても、今日は本当に不機嫌そうだけど。 「……この前貸したブルーレイ、そろそろ返してもらえませんかね」 「あっ、やばっ、まだ返してませんでしたっけ! すみません~!」  開口一番、白柳さんの口から出てきたのは「ブルーレイ返せ」だった。まさか不機嫌の理由はそれか、と少し恨めしい気持ちになる。ちょっとくらい……ほーんのちょっとくらい、会えなくて寂しかったから、とかあってもいいじゃんか!と。……まあ、別になんという関係でもないのだが。 「おまえ、今日暇なの?」 「まあ、今日は仕事ないですし」 「じゃあおまえの家に取りにいってもいい?」 「えっ、ダメ」 「なんでだよ! 今日逃したらまたおまえどっかに消えるだろ!」 「いやいや、ダメだって、白柳さんは出禁ですから、出禁!」 「聞いたことねえよ!?」  なので、家に行かせろ、と言われて俺はギョッとした。白柳さんから距離を詰めてくるなんて、相当珍しい。しかし、俺はなるべく白柳さんとは深く関わりたくないという気持ちもあったので拒絶したが……少し前まで俺がグイグイと白柳さんの家に転がり込んでいたこともあったので、あまり強く断れない。 「もう……本当に、ブルーレイ返すだけですからね」

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