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 観念して、呟く。白柳さんにちゃんと聞こえているのかは、わからない。けれど、これ以上大きな声でこんなに恥ずかしいことを言えそうにもないし、ちゃんと聞こえたのか確認したくとも白柳さんの顔を見るのが恥ずかしいし。じわじわと顔が熱くなっていって本当に逃げ出したくなった、そのとき、白柳さんが俺の手を掴んで顔を覗き込んできた。 「ちゃんと、甘えられんじゃん」 「……え、……ふ、ぁ」  白柳さんは俺の後頭部に手のひらを添えると、そのままかぷりとキスをしてきた。  たまらなく嬉しかった。はやく、切ない舌を甘やかして欲しくて、彼の口の中に舌を滑り込ませる。そうすれば白柳さんはするりと俺の舌を絡め取ってきて、俺の舌をたっぷりと愛撫してくれた。   「んっ……んん……」  ちゅぷ、ちゅぷ、と甘ったるい音が脳内に響く。それすらも俺を甘やかしてくれているようで、頭がぼんやりとしてくる。ねだるように白柳さんの背中に手を回して、腰に脚を絡めれば、くしゃくしゃと頭を撫でられて蕩けそうになった。 「ぁ……ん、……ん、……」  白柳さんがキスをしながら俺の服の中に手を入れてきて、肌をまさぐってくる。彼の手のひらがどこかに触れる度にひくひくと体の奥の方がヒクつく感覚に、じわじわといやらしい気分が溢れてくる。けれど、たぶんこうして俺の気分を一番盛り上げているのは、やっぱりキスだと思う。舌と舌がにゅる、とこすれ合うたびに、「もっと」と頭の中で俺は彼に甘えているのだ。  散々いやらしい経験をしてきて、散々色んな男に抱かれてきながら、キスでここまで感じている俺はおかしいのだろうか。今までセックスが大好きで、虐められることが大好きだったのに……まだキスの段階だというのに俺のあそこは洪水状態。腰がびくっと跳ねるたびに、下着の中で俺の漏らした先走りがぬちゅぬちゅっと擦れるのを感じる。

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