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第4夜 ③

突然の着信音に、二人ともドキリとする。 悠があわててスマホを取り出し、応答する。 「もしもし。あ、お疲れ様です。はい、はい‥‥」 話しずりから、どうやら仕事の電話のようだ。 すっかりその気になっていた俺も、急な邪魔が入って少し萎える。 手持ちぶさたになって前髪を弄る。 「あ、すみません。ちょっと電波があれなので外に出ますね。はい」 そう言って一旦電話を止めると、悠がこっちに来た。 電話がミュートになっていることを確認した後、ベッド脇に散らかっている俺の衣服からベルトを取り出し、俺の手首を束ねて縛る。 それからバイブの把っ手を持って抜いたり挿したりし、位置を調節する。 「勝手にイッたらお仕置きだから。」 俺の耳元で、悠がとびきり低い声で囁く。いつもとは別の人間のようで、俺はブルッと身震いする。 悠は俺の頭をポンポンと叩き、外へ出ていった。 悠は電話の相手と話し込んでいるようで、俺も最初のうちは天井を眺めたり、とりとめもないことを考えたりして過ごしていたが、そのうち飽きてきて、何か暇潰しになるものを探してみることにした。 縛られた不自由な手で何とか起き上がり、ベットから下りる。部屋のなかを歩いていると、急に尻の中の玩具が振動し始めた。 悠は外へ出るときに、携帯電話と一緒にバイブを遠隔操作できるリモコンも持ち出していたのだ! 「アンっ!ンンン‥‥はぁ、ハァ」 突然の変化に驚き、思わず声をあげてしまった。振動が強くなかったから腰を抜かすことはなかった。しかし、アナルのごく浅い部分だけしか振動が伝わらず、ムズムズして腰を揺らしてみる。 すると、外にいる悠が何かを感じ取ったのか、振動を強くしてきた。 ごく浅い部分だけしか攻められていなくとも、長い時間続くとだんだん頭がボーっとしてくる。 「ア‥‥だめ、あし、がくがくする‥‥」 俺は力をなくしてズルズルと膝から崩れ落ち、ついには尻餅をついてしまう。 床に尻がついたと同時に、反動でバイブが押し上げられ、奥深くまで突き刺さる。 「アアアンッ!ら、め。そんな奥突かれたら、イッちゃう‥‥イくぅ!」 誰もいない部屋で、ひとりイヤイヤと首を横に振る。しかし、いくら叫んだとて誰かが来てくれるわけでもなく、俺は限界に達しそうになる。 「やぁ‥‥も、ダメぇ!」 イッてしまったら悠に叱られることは自明で、悠の言いつけを守りたいと思っている自分がいる反面、お仕置といって悠に酷く扱われるのを期待している自分もいる。 そんな葛藤も、体は意に介さず、俺は呆気なくイッてしまった。 イッた後もバイブの振動は止まらない。余韻でからだがブルブル震える中、2回目の波が押し寄せ、今度は抗う暇もなくあっという間に射精した。 唾液が口の端から垂れて、顔は火照って赤くなり、目も、焦点が合っていないような気がした。 そうこうするうちに悠が戻ってきて、俺のあられもない姿を発見する。 「ごめん、待たせた~。‥‥遥? へぇ、イッちゃったんだね。」

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