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番外編:意外な一面②
***
やっぱ好きだな――って帰り際のときには思ったんだ。あの場面限定で……
現在真夜中の午前2時過ぎ、まんまと江藤宅に上がりこんだ宮本は、あらかじめ作ってあった夕飯を思う存分食べてから、ちゃっかり恋人のことも食し、ベッドで一緒に寝ていた。
「何だってコイツは、こんなに寝相が悪いんだっ」
江藤が寝返りを打とうとしたのに、体が重くて動けなかった。それは金縛りじゃなく、宮本の半身が見事に乗りかかっていて動けなかったから。しかも、布団を全部奪っているというオマケつき!
(どうりで寒いわけだ。風邪を引いたら、どうしてくれるんだ!?)
イラッとしながら布団を奪い、宮本の大きな体を除けようとした瞬間、ふらっと起き上がり股間に顔を埋めようとしたのに驚き、思わず膝蹴りをしてしまった。
がつんっ!!
「うごぁっ!」
(げっ、ヤっちまった……。思わず、クリーンヒットしちまったじゃねぇか)
痛そうに顔面を押さえて、うんうん唸る背中を見やり、謝ろうと声をかけるべく江藤が起き上がったら、蹴った足をいきなり掴まれた。
「おいっ、何を!?」
やられたらやり返す――今までの宮本はそうしていたので、てっきり指で抓まれるとか叩かれるなどの復讐をされると想定した。
何をされるか分からずビビる江藤を尻目に、宮本は掴んだ足を引き寄せ、何故か太ももにスリスリしてから、ぎゅっと抱きしめ寝始める。
「……どういうことだよ!?」
江藤の太ももを抱きしめ、幸せそうに眠る宮本。どうすりゃいいんだ、この状態。もう一回蹴飛ばしたら、本性が分かるのだろうか。
「いや……。意外すぎる一面、見なかったことにしておこう。そうしよう、考えたくない」
またこういう機会があるだろうから、コイツの本性をじっくり観察するのも、悪くないと思った。
――ずっと付き合っていくんだから。
つづく
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