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宮本が失踪なんてどういうことだよ6

*** 「マジであった。佑輝の自転車だ……」  黒塗りのハイヤーが峠入り口にある駐車場に到着した途端に、雅輝がいち早く宮本の自転車を発見した。駐車場の隅っこに置かれたそれを、複雑な心境で眺める。 (ここに自転車が放置されている時点で、アイツはまだ山の中にいるってことだろ……)  覚悟を決めて車内にいるふたりに、大きな声で告げる。 「悪いけどふたりはここで待機してほしい。俺様が1時間経っても戻らないときに、警察や消防に連絡してほしいんだ」 「だけどアイツを捜すなら、ひとりでも多いほうが早いと思うよ」 「ミイラ取りがミイラになったら困るってことだ。行方不明者の数が増えたら、それこそ捜す方の苦労が増える。それに俺様は宮本の行動がわかるから、うまいこと捜せると思うんだ。俺様自身も迷わないように、目印を木に巻きつけていくから、なにかあったらそれを頼りに捜してほしい」  あらかじめ用意していた言の葉を告げたら、運転席にいる橋本さんが振り返った。 「わかりました。雅輝とここで待ってます。だけど1時間しても戻らなかった場合、俺らも捜索隊に加わりますからね」 「橋本さん……」 「江藤さんお願いですから、絶対に無理だけはしないでくささい。雅輝が泣いてしまうので」  橋本さんのセリフから、大切な恋人の心を慮っているのが、ひしひしと伝わってくる。 (雅輝のヤツ、本当にいい人を捕まえたんだな――) 「わかりました。連絡はマメにします。それでは行ってきます!」  心強いふたりのおかげで、暗くなりがちだった気持ちが明るいほうに向かっていった。その光に導かれて、間違いなく宮本を見つけることができそうな気がしたのだった。

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