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「はぁっ……あっ、んぁッ……!」
「あ~こりゃ逸材だな! こんだけヤってもまだアンアン言えるんだな」
昨夜から全く知らないところに連れてこられて、そして今日、日が落ち始めるこの時まで。椛はずっと、犯され続けていた。「指導」の一環らしいのだが、男たちは明らかに愉しんでやっている。何人もの男が代わる代わるに嬉々として椛の体を弄ぶ。数えきれないほどイカされて、気絶すれば水をかけられ叩き起こされて。快楽なのか苦痛なのか……その境界線はとっく溶けていた。
「たすけて、やだよ……あっ、ぅあ……ライ、ン……!」
「あ? 誰かの名前呼んでやがるぜコイツ。ははっ、いいねぇ、なんか寝とってる気分で興奮するわ」
「ひ、ぅ……らいん……らい、ん……」
男は椛の中に精を放つ。椛の白く細い四肢がびくびくと跳ねるのを満足げにみると、一気にペニスを引き抜いてその身体を抱き起こす。そしてぐったりとしながら荒い息を吐く椛を抱えて立ち上がり、部屋をでていく。
「店長ー! こいつもう商品として出せるんじゃないっすか? はじめっから身体出来上がってたわ! 本日の目玉として出しましょう!」
「ああー? ああ、ラプンツェル、だっけ? おっけー、じゃあ洗って部屋に連れてって」
「了解っすー!」
男はそのまま部屋を出てゆく。男に運ばれながら、椛はぼんやりと天井をみつめるのみであった。粗末な煉瓦で作られたみすぼらしい建物。他の部屋からは甲高い嬌声と床の軋みの音が聞こえてくる。こんな所がこの世界にあったのか。絶望が麻痺した椛は、そんなことを冷静に考えはじめていた。これからこの醜いBGMたちの仲間入りするのだろう。
「……ばいばい……ライン……」
また、少し前の生活に戻るだけ。ラインと出逢って、優しい夢をみてしまったから、こんなにも苦しいんだ。ラインのことを忘れてしまえば、きっとこの苦しみも消えてくれる。
……ライン、大好きでした。
快楽に没頭して。そうすれば、また幸せがやってくる。胸の中は幸福感で満たされる。
「……うっ、」
幸せになれるというのに、なぜ、僕は泣いているんだろう。
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