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*** 「まっ、まってくださいハル様……」 「こら、動くなって……」 「っや、いやです……! あ、だめ……!」 「往生際が悪いぞ、入れるからな、ラズワード!」 「おせーぞ!早く準備しろ!」  勢い良くエリスが扉を開けて部屋に入ってきた。無遠慮にハルとラズワードのもとにズカズカと近づくと、ラズワードの肩を掴み振り向かせる。 「あぁ? まだ準備終わってねーのかよ」 「い、いや……ラズワードが嫌がるからさ……」 「はぁ? んなもん無理やり突っ込んでやれよ。ってゆーかカラコンくらい自分でいれろ!」  エリスはハルから「カラーコンタクト」を奪うと、ラズワードの顔を掴み、それを目に近づける。 「動くんじゃねーぞ!」 「ひっ――……」  荒っぽく入れようとしてくるエリスに怯えるラズワードを、ハルは苦笑いしながらみていた。

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